静岡大に現役合格も"3浪で藝大"目指す彼の努力 浪人決意で気づいた「本当に自分が好きなこと」

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3浪目、背水の陣で挑んだ家原さんは、すいどーばた美術学院の奨学金制度に応募。前年度の実績や家庭の経済状況が考慮され、学費が75%オフになりました。

2020年に入ってコロナ禍に突入するタイミングであったこともあり、4~5月は昼にオンラインで授業を受講して制作活動をしながら、深夜には学費を稼ぐために警備員のバイトをしていました。

「4~5月の1日の睡眠時間は4時間でした。予備校に通えるようになってからのほうが制作の密度や充実度も高いと思っていたので、オンライン授業のうちにできるだけお金を稼ごうと思っていました」

この2カ月で40万円のお金を貯めた家原さんは、6月になって予備校に通えるようになってからも週3~4回、スーパーでレジ打ちのアルバイトを1日3時間続けました。

1浪目のときはつらさから予備校を休むこともあった家原さんは、自力で学費を払うようになり、当時の自分の取り組みを『なんて甘かったんだろう』と反省したそうです。

3浪目で浪人生活の取り組み方が変わる

苦労して学費を稼ぎながら授業を頑張ったかいもあり、この年はデッサン、色彩構成、立体構成で作品がすべて上段に置かれることが多くなりました。

濱井正吾 浪人 東京藝術大学
3浪目で制作した家原さんの作品(画像:家原さん提供)

また、浪人生活の取り組み方も前年までとは変わったようです。

「この年は、前半の時期を『発散』、後半を『収束』の時期に充てることにしました。今まではひたすら目の前のことに取り組んでいたのですが、浪人生の1年を俯瞰して考えました。

前半は石膏などの苦手分野や、描いたことのない分野を描く練習をして、自分ができることを増やしました。そして、前半期間の練習で学んだことを、後半の半年でまとめることにしたのです。

去年は途中で受験科目を変えましたが、このときは秋〜冬できっと(本番で通用するレベルまで)まとめられるだろうという自信がありました」

「発散」の時期に自分の武器を探し、「収束」の時期でまとめた家原さんは、去年よりも格段に自己理解を深めることができました。

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