セブン苦戦でも大ヒット「さばの塩焼」がすごい 総菜売り場を支える中堅メーカーの秘密とは?
コンビニ最大手のセブンーイレブン・ジャパンにとって、2024年は苦しい1年だった。ファミリーマートとローソンが既存店売上高を伸ばす中、セブンは前年同期比でマイナスとなる月が多く、業績も減益基調。2024年3~11月期決算も厳しい内容が予想される。
しかし、そんな中でも絶好調の商品がある。「さばの塩焼」、「さばの味噌煮」などのパック魚総菜だ。セブンによると、既存店が伸び悩む中でも、同商品群の売上高は前年同期比20%ほどの増収になっている。
中でも売れ筋なのがさばの塩焼だ。1切れ入りで価格は税込み375円。2切れ入りが同355円で売られている大手スーパーの類似品に比べると、倍以上の価格設定だ。
強気の価格にもかかわらず、2023年度の販売実績は年間1400万食。セブンのPB(独自企画商品)・セブンプレミアムの売り上げランキングでも堂々の5位につけるなど、モンスター商品に育っている。
セブン全国2万店に単独で供給
実際に食べてみると、脂のりがよくジューシー。レンジ調理でよくあるパサつき感もない。皮目はパリッと焼きたてのような仕上がり。皿に移し替える必要のないトレータイプなのも、消費者には嬉しいポイントだ。
この商品を製造するのは、東証スタンダード市場に上場するSTIフードホールディングス。水産食品やおにぎり具材の製造を手がけるメーカーだ。
STIは主にさばの塩焼、「銀鮭の塩焼」などのパック魚総菜や、「タコとブロッコリーバジルサラダ」や「直火焼きさばのおろしポン酢」などのカップ総菜を供給している。いずれも近年、セブンが商品数を増やしている有望カテゴリーだ。
STIはこれらの総菜を全国2万1000店超のセブンへ単独で供給している。2024年12月期の売上高計画は350億円と中堅メーカーながら、セブンにとってなくてはならないサプライヤーだ。
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