斎藤知事「"専属広報"が盛大なネタバレ」の深刻度 知事選"SNS戦略"の裏側を公開、何が問題だった?
2008年のアメリカ大統領選のオバマの勝利も、オバマ陣営が、当時若者を中心に浸透してきたSNSを有効活用したことが、選挙戦に勝利した一要因とされている。
良くも悪くも、メディア環境の変化に柔軟に対応し、イメージ戦略、情報戦略に勝利することが、選挙でも勝利する重要な要素になっている。
SNSが発達しても“情報操作”は有りうる
一方で、論点の3つ目にあるように、情報操作、印象操作が行われる懸念も大きくなっている。『ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争』(高木徹著、講談社文庫)という本がある。
本書では、1992年に起きたボスニア紛争で、世界的に世論がセルビア批判へと向かった裏には、アメリカのPR会社(タイトルから誤認されがちであるが、広告代理店ではない)の情報操作があったことが明らかにされている。
情報操作によって、政治が変わり、社会も変わってしまう――ということは、過去に何度も起きている。今回の知事選は「SNSがマスメディアに勝利した」と語られるが、SNSで人々が自由に情報発信できるようになったからといって、人々が操作された情報によって動かされなくなるとは限らない。
これまで述べてきたように、PR会社社長のnoteに投稿したことは、適切な行為だったとは言いがたい(PR手法が不適切と言うわけではない)。しかし、有権者側がなかなか把握できない、最新の選挙戦略の裏側を知ることができたという点で、われわれは幸運だ。
イメージ戦略、情報戦略が進化している現代において、有権者側もリテラシーの向上を図る必要がある。
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