独身の彼女が韓国で「2人の養子」を迎えたなぜ 1人ではなく、2人迎えようと思った根本理由
ときどき、養子縁組機関内の保育所で一緒に過ごすこともあった。まだ〝うちの子〞として迎えられるかどうかはっきりしていなかったし、次女の面倒を見ていた里親さんも同席していたので、気楽に接することはできなかった。面倒な手続きを早く終えて、養子縁組の許可が下りることだけを願っていた。
いよいよ次女をわが家に迎えたときは生後10カ月を超えていた。環境ががらりと変わって不安で混乱している次女にとって、3歳年上のお姉ちゃんは頼もしい存在だったことだろう。子どもを観察していると、自分と同じ〝小さな子〞に親しみを抱いて関心を示すということがわかる。次女が新しい世界に適応するとき、お姉ちゃんがいつもそばにいてくれて本当によかったと思う。
次女の養子縁組のほうが大変だった
長女を養子に迎えたときも手続きが複雑だなと感じたけれど、次女との養子縁組はそれとは比べものにならないほど大変だった。提出書類や養子縁組機関での家族面談、養親研修の内容は前回とほぼ同じだったが、2012年に施行された養子縁組特例法改正により、養子縁組には実親による出生届の提出と家庭裁判所の許可が必要になった。
そのほかに変わった点は、家庭裁判所と提携する心理機関で心理検査を受けたこと。裁判所から自宅に調査員が派遣され、家庭環境のチェックも行われた。お年を召した調査官がやってきたときは、定年退職した裁判所職員の天下りかもしれないと思ってしまったけれど、悪印象を持たれないように必死で彼のとんちんかんなおしゃべりに調子を合わせた。
今回は知人の推薦状だけでなく、推薦者の印鑑証明書も必要だった。家族でもない相手に、不動産購入にも使われる印鑑証明書を頼むのは気が引けたけれど、以前の職場の同僚2人がまた協力してくれた。
難しい頼みごとを聞いてくれた2人に感謝する一方で、どうにも腑に落ちなかった。政府機関が個人情報を把握している韓国では、身元を確認する方法なんて他にいくらでもあるだろうに。
(翻訳:藤田麗子)
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