「サイバーリスク」に備えた契約書上の重要項目 事業継続を脅かす最上位の経営リスクが潜む

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契約書
取引先と契約書を交わす際、ある項目に注意すれば、サイバー攻撃に起因する賠償額をかなり抑えられる可能性が高まる(写真: freeangle / PIXTA)
「この2年ほどで、ゲームチェンジが起きたといえるほどサイバー攻撃の脅威は増大した」と警鐘を鳴らすのは、サイバーセキュリティに詳しい八雲法律事務所 代表弁護士の山岡裕明氏。
今や、1度被害を受けると損害賠償を取引先から請求されたり、契約を解除されるなど、事業継続が危ぶまれるおそれも十分にあるという。こうした事態に備えてどのような法務対策をとるべきか、山岡氏に聞いた。

今や事業継続を脅かすほどの経営リスク

――サイバー攻撃が激化しています。企業におけるサイバーリスクはどう変化していますか。

サイバーリスクというと、従来は個人情報漏洩が問題でしたが、2020年頃から本格化したランサムウェア攻撃がゲームチェンジを起こしました。ランサムウェアが狙うファイルサーバーには、個人情報だけでなく、財務情報や技術情報、取引先と機密保持契約を締結したうえで受領した計画書や設計図など機密性が高いものも含まれるからです。

ランサムウェア攻撃は、「身代金を支払わなければ機密データをすべて公開する」という脅迫を行います。機密データが公開されれば、取引先から損害賠償請求を受けたり、取引停止や契約解除をされたりする事態に発展しかねません。

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