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ビジネス #2024大予測|スペシャルインタビュー

慶応監督語る「甲子園制した心理的安全性」の基本 「無意識に部下のやる気をそぐ人が多い」

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森林貴彦(もりばやし・たかひこ)/慶応義塾高校 野球部監督。1973年生まれ。慶応義塾大学卒業後、NTTに勤務するも、指導者を志し退職。筑波大学大学院でコーチングを学ぶ。慶応義塾幼稚舎の教員と二足のわらじで、慶応義塾高校野球部コーチ、助監督を経て、2015年8月から監督(撮影:梅谷秀司)
鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
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「エンジョイ・ベースボール」を標榜し、2023年夏の甲子園を制覇したのが慶応義塾高校だ。高校野球のイメージを覆すマネジメントの要諦は、組織運営への示唆に満ちている。森林貴彦監督に、同校野球部出身の本誌記者が迫った。

 

──107年ぶりの優勝でした。

フィジカル面はもちろんだが、メンタル面の取り組みが結実したことが大きい。

サッカーなど、プレーがずっと流れているスポーツと違い、野球は1球ごとに「間」がある。「間の時間が試合結果を左右する」という認識はあったが、本などでその使い方を勉強しても、いま一つしっくりこなかった。そこで21年から不定期だが、なるべく長くプラス思考を保つための「スーパーブレイントレーニング」のコーチを招聘した。

例えば、試合でピンチが来たときに、「これを乗り越えたら、次はうちにチャンスが来る」などと捉えることができるか。言うはやすしで、本当にそう考えるためには訓練が必要。そういった心の持ちようを専門家の下で高め続けたことが、選手のよい表情、よい結果につながったと思う。

いい顔して野球やろう

──確かに、ビハインドで迎えた最終回や延長戦でのピンチなど、ヒリヒリする場面で不敵な笑みを浮かべる選手が目立ちました。

エンジョイ・ベースボールは「楽しい野球」と誤解されるが、私が言いたいのは「より高いレベルで野球を楽しもう」ということ。そもそも、僕らのチームでは「笑顔で野球をやろう」なんて、実は一言も言ってない。正しくは「いい顔して野球やろう」。結果、笑顔になる子もいれば、引き締まった表情になる子もいる。なので、最近は「楽しもう」よりも、歯を食い縛ってつらい瞬間を「味わおう」というニュアンスのほうが近いとも感じている。

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