日本が難民申請者を「犯罪者」扱いする異常さ 「帰りたくても帰れない」外国人を強制送還

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――入管施設に収容されながら、送還を拒む人はそんなに多いのですか。

2021年12月末時点で送還に応じない外国人は3103人いました。しかし、その3分の2にあたる1938人は、難民申請中でした。

送還の対象になって入管施設に収容されるのは、在留資格が切れたことなどによって「退去強制令書」という行政処分が出された人たちですが、多くの人達はこれに応じて帰国しています。

法務省は送還を拒む外国人の増加を問題視しているのですが、そもそも「収容・送還に関する専門部会」の議論が行われていた時点で「送還忌避者」の増加を示す統計はなく、その後公開された統計を見ても、近年は減少傾向にあることがわかります。

しかも、その大半は帰りたくても帰れない事情があり、日本に難民認定を求める人たちなのです。

「帰りたくても帰れない人」を犯罪者扱い

ーー退去強制令書が出されるということは、それなりのことをしたということではないのですか。

たしかに退去強制令書の対象になる人は、例えば偽造パスポートなどを用いて入国をした人や、在留資格で定められた活動以外のことを行った人、入国時に許可された滞在期間を過ぎて滞在した人などです。

しかし一人ひとりを見ると、やむを得ない事情が浮かび上がります。例えば、技能実習生として来日したあと、出身国で政変が起きて帰れなくなった人。出身国での緊急事態により、偽造書類でなんとか入国した人。入国が認められず、空港から収容施設に移送されて難民申請をした人もいます。退去強制令書は、このような人たちにも出されます。

【外国人の入管をめぐる問題点】
●入管の権限のみで無制限の身体拘束ができる
●入管施設の外で暮らす場合の就労や、健康保険の加入が保障されていない
さらに改正案では……
●「難民申請者」を強制送還の対象に
●退去命令に応じない場合に罰則

改正案はこのような事情を考慮せず、退去命令に応じなかった人に対し、上限1年の懲役を設けようとしました。帰りたくても帰れない人たちを犯罪者のように扱おうとしていることが非常に残念ですし、このような罰則を設けたところで、帰国できない事情は変わりません。

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