ローソンは、一流の上司をどう育てるか? 赤羽雄二×ローソン玉塚元一社長が激論!

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経営コンサルタントの赤羽雄二氏(写真左)とローソン玉塚元一社長(同右)が考える、「一流の上司」とは?
経営コンサルタントとして活躍し、『世界基準の上司』(KADOKAWA/中経出版)など著書も多い赤羽雄二氏。コマツ、スタンフォード、マッキンゼーとキャリアを積み重ねた赤羽氏がかかわった「上司」は、優に3000人超。ナショナルカンパニー、ベンチャー企業で指導してきた上司育成法を基に、ローソンの玉塚元一社長と「一流の上司の育て方」について語り合った。

なぜ、部下の能力を引き出せないのか?

赤羽:私は過去十数年間、ベンチャーも大企業も数多く見てきましたが、その中で感じているのが、部下を生かせる上司の不足です。

どうやって人を育てるのか、どうやって結果を出すのか。それへの理解が足りないのが原因なのですね。これが欧米のグローバルカンパニーと比べると非常に下手。ひどい上司がたくさんいるわけです

部下一人ひとりの能力は高く、頭がいい。でもそれが、うまく動いていない。それは、組織の中で、直属上司と部下の関係が十分機能しておらず、ポテンシャルが引き出せていないのです。

「部下というものは、はしごを外し、水の中に投げ込んだほうが育つ」という考えを持つ上司がいます。しかし、これはストレスばかりが強く、結果もうまく出せません。もっと丁寧に上司が方針を明確に示すべきだと考えています。

そういったことを踏まえて、玉塚さんが普段感じている、「上司とはどうあるべきか」についてお話しいただけますか?

玉塚:リテール(小売り)の商売は、地域に根差した個店があって、個店を束ねるスーパーバイザー(SV)がいて、さらにそれを指導する支店長がいて……という構造になっています。なるべくレイヤーをなくして、現場に近い距離で経営を行おうとトライするものの、やはりある種のヒエラルキーの中でマネージせざるをえない現実があります。そこが難しい。

小売りの商売には、Ph.D.(博士号取得者)が多数いるわけでもなく、何かパテント(特許)があるわけでもないので、強い企業になるためには、当たり前のことを当たり前に、どれだけ高い水準で執行できるかが競争力になるし、結果としてお客様からの評価につながる。結局、大切なのは「人と人とのマネジメント」なんですね。

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