今の北朝鮮の核開発は日本にとっていかに危険か 実際に撃ち込める能力があるとしてどう備える?

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自民党安全保障調査会長の小野寺五典元防衛相は、北朝鮮が7回目の核実験に踏み切る可能性があるとの見方を示した(画像:FNNプライムオンライン)
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自民党安全保障調査会長の小野寺五典元防衛相は16日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」(日曜午前7時30分)に出演し、中国共産党大会が終わる10月22日以降に、北朝鮮が7回目の核実験に踏み切る可能性があるとの見方を示した。「中国共産党大会が終わったら、核実験の緊張がかなり高まるフェーズに入る。日本にとっては安全保障上、ますます厳しい状況になる」と述べた。
北朝鮮の核開発状況について、小野寺氏は「北朝鮮はおそらく日本を攻撃するものに関しては、核の能力を持ったと考えるべきだ。広島(に落とされた原爆)の10倍の能力を持ったミサイルを(日本に)撃ち込める」との認識を示した。
同席した軍事アナリストの小泉悠氏(東大先端科学技術研究センター専任講師)は、北朝鮮が短距離弾道ミサイルの発射を繰り返していることにふれ、「戦術核を搭載することを念頭に置いていると思う」と指摘。「北朝鮮の核保有量はこれから相当増える。新しいフェーズに入ったという感じを持っている」と語った。
一方、防衛力の抜本的強化に向けて政府が検討している「反撃能力」の保有について、小野寺氏は、専守防衛は変えないことを前提に、「反撃を含めて全力をもって国民を守る。その気概、能力があるからこそ抑止力になる」と強調し、敵が日本への攻撃をためらうことにつながる強力な「反撃能力」保有の必要性を訴えた。
番組レギュラーコメンテーターの橋下徹氏(弁護士、元大阪府知事)は、「反撃能力」をめぐる国会議論について、「着手の議論、先制攻撃になるかどうかの議論に陥り、法律家の議論になっている。政治家の議論になっていない」と指摘。「国民を救うために国家は最大限の能力を持ち、使うときには均衡性の原則などに基づき最小限の使い方をする。先制攻撃をしないことを前提に、能力の議論をやってほしい」と注文をつけた。
以下、番組での主なやりとり。

北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返している現状

松山俊行キャスター(フジテレビ政治部長・解説委員):北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返している。一部は核戦力部隊の訓練だとしている。本日(16日)から始まる中国共産党大会との兼ね合いをどう考えるか。

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