会員限定

新型肺炎で中国大停滞、アップル供給網に打撃 中国の独立系メディア「財新」のリポート

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
1月23日に封鎖された武漢では市内でも人の往来を制限中。写真は2月14日の同市内。使われなくなったシェア自転車がバリケードに転用されている(撮影:丁剛)
新型コロナウイルスの拡大に伴う人の移動の制限によって、中国では企業活動の停滞が深刻になっている。米アップルのiPhone組み立て工場である台湾・鴻海(ホンハイ)グループの鄭州工場の現状に迫る。

EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海グループ。中国・河南省にある同社の鄭州テクノロジーパークでは従業員に対し、3月7日までの職場復帰を奨励している。

スマートフォンなどデジタル製品の組み立てを担う部門の採用サイトによると、正規職員とパート従業員の業務再開日は2月17日かそれ以降。正規職員は、職場復帰すれば3000元(5万円弱)の奨励金を受け取ることができる。

鄭州での人材募集に携わる2人の人物は、「(河南省の中で感染者が多い)信陽、南陽、駐馬店、商丘、周口や、河南省以外の人々は募集していない」と話す。

その2人によると、応募する際には直近15日間のスマホGPS追跡情報の提示が必要だ。鄭州戸籍以外の応募者には7日間の隔離が求められるという。

2月6日の鄭州市当局の通知によると、操業再開解禁日は3種類ある。地元労働者主体のメーカー、サプライチェーン(供給網)が整っている企業は2月10日、感染が深刻な地域から来ている従業員が少なかったり、サプライチェーンがおおよそ整っていたりする企業は同17日、その他の企業は同24日だ。

鴻海は、深圳のテクノロジーパークでも一部の操業を再開した。ある従業員は、「2月17日に深圳にいた従業員は職場復帰しており、タブレットなどの組み立てラインはすでに部分的に操業を再開している。まだ復帰していない従業員は引き続き通知を待っている」と話す。本来は、中国本土の主要な工場は2月10日に操業を再開するとしていたが、大規模な再開は3月まで延期した。

生産の海外移転は無理

深圳と鄭州は鴻海の中国本土最大の生産拠点であり、従業員の総数は40万人を超える。米アップルも、同社に主力製品の生産を委託している。鴻海の2つの工場が本格稼働しなければ、iPhoneの生産量にも影響が及ぶ。

市場では、鴻海が海外の工場にスマホの生産を移転するという噂がささやかれた。だが、業界内では疑問の声が上がる。市場調査会社Canalysによると、iPhoneの99%超が中国で生産され、組み立てられている。

Canalysのモバイル業務グローバル副総裁の彭(ほう)路平氏は、「海外の工場で最新のiPhoneを組み立てることはできない。鴻海のインド工場で扱っているのはローエンド製品だからだ」と話す。別の業界関係者は、「アップルの新製品の質は、作業員の熟練度で決まる。インドや台湾の工場は、鄭州とは比べ物にならない」と言う。

鴻海は現在、一部の従業員をマスクの生産に充てている。生産したマスクは同社が優先的に使用するようだ。

財新特約連載「疫病都市」を無料配信しています。https://toyokeizai.net/articles/-/570438
関連記事
トピックボードAD