「第2の国歌」と聞いたとき、どんな曲を思い起こすだろう。“国歌に次いでその国を象徴するような曲”である第2の国歌。太平洋戦争前の日本では、国民の戦意高揚を目的として作曲された信時潔(のぶとききよし)(1887〜1965)の『海行かば』がそれに相当するものとして広く歌われていたが、戦後の日本では残念ながらそれに代わる曲は生まれなかった。
一方ヨーロッパでは、イタリアの『行け我が思いよ、金色の翼に乗って』、フィンランドの『フィンランディア(フィンランディア賛歌)』、そして英国の『威風堂々(希望と栄光の国)』といった名曲が、今も熱い思いを込めて歌い継がれている。
ベルディ(1813〜1901)のオペラ『ナブッコ』の合唱『行け我が思いよ、金色の翼に乗って』は、そのすばらしさから、イタリアの正式な国歌にしようとする動きがこれまで何度もあったというから楽しい。遺言で「一切の音楽演奏を禁じる」とされたベルディの葬儀の際、ミラノの沿道でひつぎを見送る群衆からこの合唱が流れ始めたというのも語り草だ。
国民の思いをこめた名曲
フィンランドが帝政ロシアの圧政に苦しめられていた1899年当時、独立運動のシンボル的作品となったのが、シベリウス(1865〜1957)作曲の交響詩『フィンランディア』だ。後に中間部のメロディーに詩人ベイッコ・コスケンニエミが歌詞をつけ、シベリウス自身が合唱曲用に編曲して、フィンランドの第2の国歌として愛されている『フィンランディア賛歌』となった。
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