異次元の実績を上げる郵便局員たち 全国1位は3000万円超え
日本郵便の保険営業担当者は、獲得した契約の月額保険料の累計額で営業成績に順位がつけられている。本誌が入手した内部資料(「かんぽ営業選奨 成績表」)によれば、外回り主体の渉外担当者(約1.5万人)の全国1位は販売実績が3163万円(2018年4月〜19年3月)だった。そのうち546万円が「働き盛り(20歳以上50歳未満)世代加算」として上乗せされているが、2位より約890万円多く、実績はずば抜けて高い(下表)。
日本郵政グループは毎年、営業成績が高い局員を「かんぽ営業最高優績者」として表彰している。渉外担当の場合、販売実績750万円以上で「ゴールド優績者」に選ばれ(最大200人)、1200万円以上の実績を上げた者の中から「ダイヤモンド優績者」が選ばれる(同30人)。1位の局員の実績は、このダイヤの認定基準を優に上回っているのだ。
「信じられない数字」
もっとも、「販売実績が750万円や1200万円というのは、現実世界に存在しないものを見るくらいに信じられない数字」(北陸の郵便局員)だという。かつてゴールドに認定された局員は、「満期金が保険料の支払総額を上回っていた時代にはゴールドが達成可能だった。認定基準も『500万円以上』と低かった」と振り返る。だが、2年前に全商品で支払総額が受取額を上回る“総元本割れ”の状態になり、認定基準も750万円に引き上げられたことで、「達成はほぼ無理になった」。
認定基準をはるかに上回る販売実績は異次元の数字であり、「悪質な手法を駆使して高齢者に不利益となる契約変更を短期間で強いなければ実現は不可能だ」(東京の郵便局員)ともいわれる。「悪質な手法」は、高齢の契約者はそのままに、被保険者を長男や次男に変えて契約の乗り換えをさせる「ヒホガエ」などいくつもある。
内部資料には、全国上位者の氏名の横に※がある(表中では11人)。これは募集品質基準を満たしていないことを意味する。例えば、過去に9回もダイヤに認定された5位の武蔵村山局の局員。販売実績は2017万円とダイヤの基準をクリアしている。ダイヤに2回以上認定された人の中から選ばれるのが最高位の「ブルーダイヤモンド優績者」だが、上位10人で唯一、※がついている。この局員の場合、ブルーダイヤ認定に必要な4つの品質基準のうち3つが達成できていない。乗り換え契約の割合を示す「乗換発生率」は14%と、ブルーダイヤ基準(1.5%)を大きく上回っている。
全国1位の局員(現在は八王子局から異動)は9月から育児休業中だという。「休業中はかんぽ生命からの調査も日本郵便の処分も下らないという内規があるからだ。上司が全国トップの局員をかくまった」(ある局員)といわれる。9月中に金融庁が検査に入るが、トップ営業マンは個別ヒアリングの対象となるのだろうか。























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