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ベンチャーキャピタル(VC)は、現在の市場環境をどう感じているのか。業界の重鎮に聞いた。
(注)8月24日号38ページ記事に加筆をしています。
日本のVCはこれまで、金融機関の子会社が手がけている場合が多かった。金融機関にとっては融資先やIPO(新規株式公開)時における主幹事の座を獲得するためのツールでしかなく、彼らにとってVCは収益のドライバーではなかった。当時のベンチャー業界には、本当にリスクを取ってベンチャーに投資する主体が少なかった。
しかし金融系のVCはリーマン・ショックで数が減り、最近は独立系VCが機関投資家からお金を預かり、リターンを出すようになった。昨年6月にメルカリが上場し、機関投資家の目もオルタナティブ投資の一環でVCというアセットクラスに向くようになった。米国ではだいぶ前から存在している流れが、日本でも生まれ始めている。
今年6月に上場したSansanのように、時価総額が1000億円を超えるベンチャーがこれからどんどん生まれていくだろう。未上場で数十億円から100億円の資金調達をしているところは、いずれも楽しみな会社ばかりだ。SansanクラスのIPOを行って、セカンダリーマーケットでも評価を得るという事例はもっと作っていかなければいけない。
ベンチャー側から見た以前との違いは、まず経営陣の質が向上している点だ。加えて「第4次産業革命」といわれるように、新しいビジネスの機会がITの分野だけでなく医療、教育、建設、物流などの領域に広がってきている。
ネット業界の中でも、個人向けのスマートフォンアプリだけでなく、法人向けのSaaS(クラウドで提供するソフトウェア)分野で勢いのあるベンチャーがいくつも生まれている。
PCからスマホにユーザーの行動がシフトする中での新たなネットサービスは、メルカリやスマートニュースの登場で出尽くした感がある。これからはSaaSに加え、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの分野でも期待のプレイヤーが出てくる。フィンテックでは、すでにウェルスナビやお金のデザインが大きくなっている。
これからは上場に限らず、大企業とアライアンスを組みながら、最終的には大企業によるM&A(合併・買取)によってイグジット(投資回収)するケースも増えてくるはずだ。






















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