350人超の観客が熱視線を送っていたのは、画面上のキャラクターだった。これは3月中旬、豊島区の映画館・池袋HUMAXシネマズで開催された、VTuber(ブイチューバー)・YuNi(ユニ)のライブの様子だ。VTuberは、「バーチャルユーチューバー」の略称で、動画共有サイトのユーチューブ上で活躍するキャラクターを指す。
ユニは2018年6月の動画投稿開始から1年足らずでチャンネル登録者数が27万に達した人気者だ。「世界初のバーチャルシンガー」を標榜し、動画ではアニメソングや昭和歌謡など幅広い楽曲を披露している。現在は自身のオリジナル楽曲もリリースし、活動の場をユーチューブ以外にも広げている。冒頭のライブも、チケットが発売当日に完売する盛況ぶりだった。
キャラクターの動きは、実際の人間の動きをデジタル化して反映するモーションキャプチャー技術で表現する。VTuber事業を手がけるバルスは秋葉原に専用スタジオを持つ。ユニのライブは、ここで作ったデータをリアルタイムで池袋の映画館に配信したものだが、会場にいるゲストとのトークや曲中の観客との掛け合いは、そこにユニ本人がいるかのような、ごく自然なものだった。
5Gの普及が進めば出現場所が急増
バルスは昨年8月、NTTドコモの提供する5Gオープンパートナープログラムに参画した。スタジオからタワーレコード渋谷店の店頭に、5Gと専用線の組み合わせでデータを伝送するVTuberのトークライブを行った。
バルスが手がけるVTuberライブでは現状、光回線を使用してデータを転送している。それを5Gに置き換えられれば、「大がかりな専用設備が不要になり、あらゆる場にVTuberを出現させられる」(林範和CEO)。
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