音楽や演劇などのライブ市場は拡大が続いている。『ライブ・エンタテインメント白書』によると、2017年の市場規模は5151億円。12年比で約1.5倍になった。中でも音楽ライブの拡大が顕著だ。CDの売り上げが減少する中、ステージが新たな収益の柱になりつつある。
ただし、その会場は東京一極集中が際立つ。市場規模をエリア別で見ると関東が54%を占め、その内訳を見ても東京の割合がほとんどだ。
「出演者の多くが東京で活動している。また地方公演になると移動費やスタッフの滞在費など負担が大きい」(ぴあ総研笹井裕子所長)からだ。
そんな中、関西でライブエンターテインメントが盛り上がる機運がある。そのキーワードが「インバウンド(訪日外国人旅行客)」だ。
19年2月に開業するクールジャパンパーク大阪は、その名のとおり、インバウンドを意識した劇場型文化集客施設。大阪城公園の東側に完成するその建物は、1144席のWWホール、706席のTTホール、300〜500人収容可能なSSホールで構成される。ホールの名称はタレントの明石家さんまが命名した。
この劇場の狙いは世界に通用するエンターテインメントを発信し、インバウンド需要を取り込むこと。2月からの公演はダンスに、殺陣、日本舞踊などが渾然一体のライブパフォーマンスで外国人も楽しめるショーを予定しているという。
施設の運営会社は吉本興業をはじめとする民間企業13社に、官民ファンド・クールジャパン機構が出資をして設立。クールジャパンパーク大阪の戸田義人代表取締役は「大阪を代表する観光スポット、世界にも類を見ない施設に成長させたい」と意気込む。
さらに松竹芸能が19年1月にオープンさせる心斎橋角座では、落語やお笑いライブのほかに、OSK日本歌劇団によるインバウンド公演も想定している。
関西ではすでに実績を残す公演もある。それが京都を拠点にマイム(無言劇)やマジック、ジャグリングなどを組み合わせたノンバーバル(非言語)演劇「ギア」だ。小劇場での公演ながら7年間で19万人を動員、17年からは千葉でも公演を始めた。京都観光に訪れた外国人観光客が来場するケースも少なくない。
インバウンド需要を取り込めるか
関西空港には17年の実績で716万人の外国人が入国。さらに25年には大阪万博の開催が決定し、インバウンド需要の拡大が見込める。ただ、インバウンド向けについては、ナイトエンターテインメントをはじめ、まだまだ不十分との意見が大半を占める。「日本ならではのもの、日本人が見ても楽しいものを見たいというリクエストは強い」(笹井所長)。
今後、インバウンドが満足できるコンテンツを提供していけるか。劇場のハコが整った後、文字どおり公演の中身が問われることになる。






















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