西日本を中心に200人近い人が亡くなり、大きな被害をもたらした「平成30年7月豪雨」。気象庁は7月4日から危機への対応を呼びかけ始め、6日午前の記者会見では特別警報の可能性に言及した。気象庁天気相談所長の桜井美菜子氏に聞いた。
──あのとき、日本付近では何が起きていたのでしょうか?
北のオホーツク海高気圧と南の太平洋高気圧の間に挟まれ、梅雨前線が西日本から東日本にかけて停滞していた。そこへ太平洋高気圧に沿う気流と東シナ海からの気流に大量の暖かく湿った空気が乗って日本付近に流れ込み、梅雨前線の活動が活発化、広い範囲で大雨を降らせた。西日本を中心とした梅雨末期の集中豪雨の典型として予報官にはよく知られている。これに日本海で温帯低気圧に変わった台風7号の影響も加わった。
──梅雨前線による大雨で「特別警報の可能性」の公表は初めてです。
気象庁の数値予報モデルは梅雨末期の集中豪雨の典型パターンを一貫して予想し、資料が新しくなるたび、予想雨量は増えると予想していた。予報精度の限界を考慮しても、極めて高い確度で7月5日ごろから8日にかけて西日本を中心に甚大な災害につながる大雨が降る、できるだけ早く危機感を伝え強い警戒を促すメッセージを発信すべき、というのが予報担当者全員の実感だった。
各地の気象台では豪雨発生5日前から「警報級の可能性」を伝え始めた。これは過去の被災自治体などからの、「警報級の現象を予想しているなら、確度が高くなくても早めに情報を」との声により2017年度から始めたもの。気象庁が危機感を抱いてから、警報を発表するまでの“すき間”を埋める役割を果たしたのではないか。
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