半ば永遠に続くかと思われた安倍一強体制も、東京都議会議員選挙を機にどうやら黄昏(たそがれ)を迎えつつあるようだ。安倍晋三首相は起死回生を狙って、近くはなかった河野太郎外相、野田聖子総務相などを抜擢して内閣を改造したが支持率の回復に結び付いてはいない。普通、野党第一党にとっては絶好の攻めるチャンスなのだが、民進党は蓮舫代表が突如辞任するなど、とてもそれどころではない。第一党、第二党が共に惨敗したフランスのような状況がわが国にも生まれてくるのだろうか。それを当て込んでか、小池百合子都知事の側近が日本ファーストの会を立ち上げた。
現実の政党政治の惨状からは少し離れて、どういう政党をわれわれは本来望んでいるのか、ということを考えてみたい。まず外交であるが、日本はGDP(国内総生産)世界3位の大国であり、かつ人口も先進国の中では米国と並んで1億人を超えている。このような大国が必要とするパートナーは、米国、中国、EU(欧州連合)以外には考えにくい。この三つの選択肢の中で、地政学(距離の遠近)や価値観、人的交流の厚みなどを総合的に勘案すると、当面、米国以外の答えは出しにくい。つまり、外交は政策の大きな対立軸にはなりえないのだ。
限定的な経済活性化策
では、内政はどうか。わが国は高齢化が世界で最も進んだ課題先進国、高齢化大国である。経済を活性化させてある程度の成長を達成しないかぎり、つまり高齢化に伴う介護などの出費を経済成長で補填しないかぎり、豊かな生活は期待できないということには、誰しも異論はないであろう。
そして経済の活性化のためには、規制緩和、成長分野への労働力の流動化、ベンチャーの振興などが必要である。活性化策については打てる手自体が限られているし、経済学者の間でもそれほど意見が分かれているわけではない。
では、何が政党間の将来の政策の対立軸の柱となるのか。私見では、税と社会保障の一体改革こそが、大きな対立軸となると思料する。わが国の負担率(税+社会保険料)は、先進国の平均に比べてかなり低い。一方、給付の大半を占める社会保障は、平均より高い。わが国は、この両者の差を「孫の名義のクレジットカード」(国債)で埋め合わせている。これでは、サステイナブルであるはずがない。
そうであれば、対立軸の基本は、現状の社会保障のレベルに負担を合わせる(消費税率15%ぐらいのイメージ)「中負担・中福祉」にするのか、EU並みに消費税率を引き上げ(25%ぐらいのイメージ)、「高負担・高福祉」を目指すのかになるのではないか。なお、競争力と高負担に何の関係もないことは、国際競争力ランキングで上位常連の北欧諸国が実証しているとおりである。(ウーミン)





















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