浜田宏一氏が消費増税の再延期を唱える理由 シムズ教授の「物価水準の財政理論」実践を
アベノミクスの生みの親、浜田宏一・内閣官房参与(米イェール大学名誉教授)が、消費税率引き上げを再延期すべきとの認識を示した。すべての食料品とエネルギーを除いた「コアコア」のインフレ率が現状の0.1%から上昇して1.5%水準で安定すれば、消費税率を年間1%ずつ引き上げても安心だが、それまでは据え置くべきとの主張だ。
消費税率は現行の8%から2019年10月に10%へと引き上げられる予定だ。安倍晋三首相はつねに浜田氏の主張を採用するわけではないが、今回は耳を傾けるべきだろう。
浜田氏は、ノーベル賞経済学者、クリストファー・シムズ氏(米プリンストン大学教授)が提唱した「物価水準の財政理論」(FTPL)を、日本で実践すべきと主張している。両氏は2月10日、米コロンビア大学で開かれたセミナーで講演し、財政刺激策を内需拡大だけでなく、デフレ退治にも活用できると主張した。
経済学者の大半は、中央銀行が希望どおりの水準のインフレを創出できるという、故ミルトン・フリードマン氏の主張を信奉してきた。しかし日本銀行の黒田東彦総裁が15年度のインフレ率2%目標達成に失敗したのを受けて、多くの学者が立場を変えた。浜田氏もその一人である。
FTPL学派はデフレ克服には、政府が政策をやり抜く覚悟と中央銀行による支援が不可欠としている。コロンビア大のセミナーでは、過去の成功例として1930年代のフランクリン・ルーズベルト時代の財政政策が挙げられた。
浜田氏は、日本経済の回復は円相場の反発で阻害されているとして、円高是正には為替介入と日銀による外債購入が必要と主張した。第2次安倍内閣発足直後の13年に開かれた20カ国・地域(G20)財相・中銀総裁会議で、米国などが円相場押し下げ目的での外債購入を行わないことで合意したのを受け、日銀は今、購入対象を国内債に限っている。
金融緩和の副作用として円安が続くかぎり、世界各国の金融当局はそれを許容する。だが一国の中銀が外債購入による介入に踏み切れば、保護主義者だけでなく、多くの政府がそれを為替操作だとみなすだろう。
安倍首相はこうした問題を双方の財務相に委ねることでトランプ氏と合意し、とりあえずの勝利を収めた。だが今後トランプ氏に挑戦する姿勢を示せば、カウンターパンチを食らいかねない状況にある。






















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