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りそな、公的資金完済 新たな境地は開けるか 金融

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10年以上と、遠かった道のり。東和浩社長は感慨無量だ

その日、りそなホールディングスの東和浩社長の目は赤らみ、うっすらと涙が浮かんでいた。「一緒にこのときを迎えたかった」。

2月27日、りそなは公的資金を6月にも完済すると発表。会見の席上、りそな改革を牽引した故・細谷英二前会長に伝えたいことを尋ねられた東社長は、声を詰まらせた。

公的資金は最も多い時期には実に3兆円あった。2003年の危機時にJR東日本の副社長から転じた細谷前会長は、「りそなの常識は世間の非常識」と公言し、サービス業への転換を強く促した。当時、財務部長だった東社長も、細谷前会長に「とにかくよく怒られた」一人だ。

公的資金の返済で自由な投資も可能になり、他行と肩を並べて競争ができる。

「ニュース見たよ。よかったね」。りそな銀行常盤台支店の営業第二部・小飯塚真希氏は、投資商品販売収益MVPの2期連続受賞者だが、訪問先の個人客から、早速、公的資金完済を評価する声をかけてもらえた。

金融資産を持つ人の多いこの地区では、メガバンクのブランド力が強く、りそなは三菱東京UFJ銀行大山支店や三井住友銀行ときわ台支店などの後塵を拝していた。しかし、「公的資金完済で壁がなくなるので、これからは、より強くアピールしていきたい」(長野善朗・常盤台支店長)としている。

りそなは「攻めの経営へのマインドチェンジを図る」(東社長)。中堅・中小企業向け・個人向け取引でナンバーワンのブランドを確立することを目指す。

個人向け営業力の強化のため、1月に「オムニチャネル戦略室」を新設した。個人客の取引行動に関する膨大な情報をきめ細かく分析し、そのニーズに応える金融サービスの戦略を練る組織だ。ただ、まだ具体的戦略は見えてこない。

金融をめぐっては、米国を中心に決済や電子商取引などの分野で、さまざまな新ビジネスが生まれている。りそなも新境地を切り開くことができるのか。「銀行はサービス業」という細谷前会長の信念を実現する、新たな銀行モデルの構築が求められる。

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