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レセプト(医療報酬明細書)が効率化の切り札 土井丈朗・慶応義塾大教授が医療費問題を斬る

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どい・たけろう●1970年奈良県生まれ。99年、東京大学大学院経済学研究科修了。慶応義塾大学経済学部准教授などを経て、2009年より現職。(撮影:風間仁一郎)

日本の医療費の財源構成は、自己負担を除く部分の半分は税金、残り半分は保険料だ。そして、税金の多くは赤字国債で賄われている。その結果、二つの問題を抱えてしまっている。

一つは、なかなか増税ができず、将来世代の税負担に付け回しする形になっていること。もう一つは保険料が毎年のように上がっていることだ。医療保険のために支払った保険料は医療保険にのみ使われているが、そのことが信頼感を高めている。逆に言うと、増税しない分はすべて保険料負担増という形になっており、医療保険として果たすべきでない機能まで果たしてしまっている。

高齢者は病気がちで、1人当たり医療費が高いのに対し、若い人の医療費は低い。その負担を国民の間で均等にならすので、今の若い人の保険料は高齢者の医療費を賄うために使われている。保険料で世代間の再分配をする意図はまったくなかったのだが、極めて強烈な再分配が医療保険を通じて起きてしまっている。

今のままだと、苛烈な負担増の道を進むか、これ以上の負担増には耐えられないという声が上回れば、国民皆保険といいつつ、保険のカバレッジ範囲がどんどん小さくなっていくかのどちらか。だから、きちんと負担もし、新たな治療法が安価にできるのなら、保険収載する形で国民の健康寿命を延ばす。ただし、今の医療には重複投薬や過剰受診といった無駄があるので、負担増をできるだけ抑制していく、という努力が必要だ。

医療給付を効率化する切り札は、エビデンスに基づく医療の重点化、効率化。年間20億枚あるといわれるレセプトデータは、医療をよくするための宝の山だ。それを活用し、第1弾として地域医療構想、第2弾は医療費適正化計画という形で来年以降進んでいく。

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