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頼みの綱はシニアと女性の獲得 不振続く ファミリー向け販売

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実質賃金が減っているにもかかわらず、マンション価格は高騰している。サラリーマン世帯の買い意欲はすっかりしぼんでしまった。これに困ったマンション業界が今、力を入れているのが、シニアと女性の取り込みだ。

顧客の好立地志向はわかっていても、実際は与えられた立地条件でマンション開発の企画をしなければならないケースがほとんど。NTT都市開発が千葉県船橋市で分譲した「ウエリス津田沼」はNTT社宅跡地に建ち、立地は平凡だ。だが、シニアの支持で順調に契約を伸ばして完売となった。物件の特徴は、隣地に賃貸型のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を併設、一体的な開発・運営をしていることだ。

マンション住民もサ高住の食堂や生活支援サービスを利用できる

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サ高住を併設する利点は二つある。まずは購入者自身の老後の備えだ。同社シニア統括マネージャーの大学敦示氏によれば、「マンションで一人で生活できるのは要介護1が限界」。マンション購入者には、サ高住への優先入居権が付与され、将来、住み替えることができる。サ高住の中には自立型の部屋と、食事や入浴の支援がつく介護型の部屋がある。入居費用は、マンションの自室を賃貸に出して賄うことも想定されている。

もう一つの利点は、サ高住に老親を呼び寄せて近居できること。この場合、マンション購入に当たって、生前贈与を活用した老親からの資金援助が得やすくなる効果もあるようだ。今後同社では四つの開発計画があるほか、東急不動産も世田谷区で同様の大規模開発を計画している。

昨年のマンション発売戸数が国内最多だった住友不動産。その勝因の一つが女性客獲得だ。同社では4500万円までの低価格帯で、女性単身の購入比率が5割を超えている。

住友不動産は昨秋から女性限定相談カウンターを設けた

女性の「好立地」は 男性と異なる

今都内で女性客に人気が高いのが下町エリアだ。保育園の送迎など、家庭と仕事の両立が念頭にある女性にとって、「職場までのアクセスの短さが男性以上に大きく影響する」(同社首都圏マンション事業部長の青木斗益氏)という。所得水準が男性より低いことも手伝って、男性の求める「好立地」とはズレがある。

女性向けにマンション購入セミナーを開いている「女性のための快適住まいづくり研究会」には、タカラレーベン、フージャースコーポレーションなどが共同企画を持ちかけている。「何で女性がマンションを必要とするの? 本当に売れるの? というデベロッパーはいまだに多い」(小島ひろ美代表)というが、徐々に認識は変わってきているようだ。

共働き夫婦が購入するケースでも、家計を支えるようになった女性の発言力が増している。「キッチンだけが女の城」とのデベロッパーの認識は改めなければならない。

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