財政再建公約は反故に? 消えぬ消費増税延期論
いくら安倍首相が否定しても、増税延期=同日選のシナリオは消えない。
「リーマンショックや大震災のような事態が発生しないかぎり、来年、(消費税率を10%へ)予定どおり引き上げていく考えに変わりはない。衆院解散は頭の片隅にもない」
2016年度予算が成立した3月29日、安倍晋三首相は会見で従来の表現を繰り返し、再延期観測を打ち消した。
しかし、「デフレ脱却には思ったより時間がかかっており、増税するとインフレ期待が高まらなくなる。延期を決断するのではないか」(モルガン・スタンレーMUFG証券のチーフエコノミスト、ロバート・フェルドマン氏)などという、見方が消えない。
5月18日には16年1〜3月期の四半期GDP(国内総生産)速報値の発表、5月26日からは日本が議長国を務める伊勢志摩サミットを控える。内閣支持率を見極めつつ、7月の参議院選挙を衆参同日選にするのかを含め、5月に消費増税の可否を判断するとの見方が浮上している。
冴えない個人消費
1〜3月期の実質GDP成長率についてエコノミストらの予想の平均は0.81%のプラス(3月のESPフォーキャスト調査)。ところが、成長率、消費者物価ともに、下方修正が続く。17年度の成長率は今回初めてマイナスと見込まれるなど、日本経済の先行きに明るい展望が描けない。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら