原発頼みを抜け出せぬ 電力各社で続く苦境 エネルギー
大手電力10社の2016年3月期業績は、引き続き原子力発電所の再稼働に左右される不透明な状況が続きそうだ。業績予想も8社が公表できていない。
15年3月期決算を振り返れば、もともと原発への依存度が高く再稼働が遅れている関西、九州、北海道の3電力が4期連続の経常赤字に。一方、電気料金値上げで黒字化した中部電力など7電力が黒字で、明暗が分かれた。
今期の焦点はやはり原発だ。再稼働第1号と目される九州電力の川内(せんだい)原発。会社側は7月に1号機の再稼働を目指す。2号機と計2基で1カ月当たり約150億円の収益改善が見込め、目標どおりなら黒字転換に持ち込める。だが実施中の使用前検査が長引いて、下期以降にずれ込む可能性も残る。大きく遅れれば、赤字継続は必至だ。
関西電力は11月に高浜3、4号機の再稼働を想定していたが、福井地方裁判所が運転差し止めの仮処分命令を決定。決定が却下されないと再稼働できない。料金の再値上げ幅も審査で圧縮され、「黒字化が見えているわけではまったくない」(八木誠社長)。
四国電力の伊方原発3号機も、5月20日に実質的な審査合格証が与えられたが、諸手続きが残り、再稼働は冬以降。来期となれば、料金反映に先行した燃料安効果が減る分、経常減益の公算が大きい。
他の電力各社の原発は、今期中の再稼働の可能性が低い。再値上げした北海道電力は黒字転換するが、なお低水準。中部電力が燃料安効果で増益の反面、東京電力は修繕費などの増加で減益。中国や東北、原発を持たない沖縄の電力各社も、燃料安効果の減少が利益を圧迫しそうだ。原発敷地内に活断層のある疑いが新たに浮上した北陸電力も利益は横ばいだろう。
16年4月からは電力小売りの全面自由化で、他業界との競争も激化する。各社には原発に依存しない革新性が一層求められている。






















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