ブラジル経済は10年7.8%、11年4.8%成長を予想、財政緊縮による景気の減速が新政権の課題--ゴールドマン・サックス シニア・エコノミスト/中南米経済担当共同ヘッド アルベルト・ラモス氏

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--ブラジル経済の成長機会に乗っていける業界とは。

やはりインフラ関連、建設セクターなどだ。実質金利が減少するにつれ、将来の投資計画を立てやすくなる。ブラジル政府も投資を本格化するにつれ、これらのセクターは比較的大きな恩恵を受けるだろう。

一般的に言えば、経済が拡大するにつれ、消費財への需要が高まる。加えて、農業や石油関連業界も、コモディティ・コンプレックス(一次産品複合企業体)を形成するなどビジネス機会が増大していくだろう。

--ブラジル以外の中南米諸国で経済の将来性が大きいのはどこか。

経済運営が良好で、投資先として引き続き有望と見られるのはブラジルのほかでは、コロンビア、チリ、ペルー、メキシコだ。ただ、メキシコに関しては当面は不安定さが残る。輸出の85%が米国向けであるなど米国経済への依存関係が強く、その米国経済が依然として力強さに欠けるためだ。メキシコ以外は、国の規模が小さいことが問題だ。

ベネズエラ、ボリビア、エクアドルは対極にあるグループであり、政策運営が貧弱で、政府も介入主義だ。投資先としては適切ではない。

これらのグループの中間にアルゼンチンがある。国の規模が比較的大きく、経済の潜在性もある反面、政策運営が貧弱だ。インフレ率は25%前後と高く、財政政策は非常に拡大主義で、政府の民間に対する介入が多い。ビジネスフレンドリーな環境とはいえない。ブラジルなど第一のグループの領域に達するには相当の距離があるといえるだろう。
(聞き手:中村稔 撮影:吉野純治 =東洋経済オンライン)

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