大変革時代、企業の成長を加速させる「3つのD」 PwCコンサルティングで新経営ビジョンが始動

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日本で70年以上にわたり監査、税務、コンサルティングといったプロフェッショナルサービスを幅広く提供してきたPwC Japanグループ。中でもPwCコンサルティングは、戦略策定から実行・実装までを支援する総合的なコンサルティングファームとして、さまざまな業界のクライアントの課題解決をサポートしている。クライアントが不確実な時代をサバイブするために必要な変革を後押しするべく、同社で変革プランが始動した。

新経営ビジョンが見据える「Trust」の構築と「Sustained Outcomes」の達成

コロナ禍で社会の変化が著しい今、企業はSDGsやESGの達成を見据えながら、DXによる変革も待ったなしの大きなうねりの中に身を置いている。

自らの存在意義を「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」と定めるPwCは、テクノロジーによる変革、気候変動、地政学的分断など、全世界的な課題を受けて、グローバルの新たな経営ビジョン「The New Equation」を策定した。この狙いについて、同社常務執行役Chief Digital Officerパートナーの桂憲司氏は、次のように説明する。

PwCコンサルティング合同会社
常務執行役
Chief Digital Officerパートナー
桂 憲司 氏

「世の中が急激に変わったことで、企業にはより迅速な判断・意思決定が求められ、またこれまで競合ではなかった企業が新規参入してくるなど、ビジネスの不確実性が増してきています。

こうした環境下でPwCは、いま多くの企業が求めているのは『Trust(信頼)』の構築と『Sustained Outcomes(持続的な成長)』の実現であると考え、これらをより強固に支援するため、グローバルビジョンとして『The New Equation』を掲げ、PwC自身の組織やサービスを抜本的に組み替える方針を打ち立てました。

これにより、時代や企業の変化を機敏に捉えるために各分野のエキスパートが連携し、多角的な視点からクライアントを支援できる仕組みが整い、今まで以上のスピードで具体的な戦略やビジネスモデル、オペレーションなどを実現することが可能となりました」

「3つのDによる変革プラン」で、
成長率15%、最終年度の売上高1000億円を目標に

PwCの新経営ビジョン「The New Equation」を支える基盤は、世界156カ国に広がるネットワークに所属する約30万人のプロフェッショナルの専門性だ。日本拠点では、かねてクライアントの変革スピードへの要求に応えるべく、自らの変革の必要性を認識し、2021年に新戦略「3つのDによる変革プラン」を発表した。

3つのDとは、「Design(新しい姿を描き、作る)」「Disruption(従来の概念を覆す)」「Dimension(多面的に考える)」の頭文字を取ったもので、これらの視点に重きを置いた自社の大変革戦略である。戦略の狙いは3つある。

「1つ目は、各クライアント向けにカスタマイズされた提案・コンサルティングを今まで以上のスピードで提供すること。クライアントや業界のインサイトをより深く考察する機能を持つ専門組織を新たに設け、そのアウトプットを基に、各チームがよりスピーディーかつ最適な提案ができる体制を整えます。

2つ目は、クライアントが実現したいことを、今まで以上に速く実現できるようにすること。デジタルをベースとした複数のサービスを組み合わせて課題解決のスピードアップを図ります。

また、グローバルで活用されているPwC独自のソフトウェアやクラウドサービスも提供し、クライアントの変革を加速させます。

3つ目は、クライアントの戦略実現や意思決定を今まで以上に速くできるように支援すること。当社が東京・大手町に設置しているエクスペリエンスセンターやテクノロジーラボラトリーを活用し、プロトタイピング(試作)を実施したり、最先端の技術・知識に触れていただいたりすることで、スピード感のある課題解決を支援します」(桂氏)

この変革プランは21年から23年までの3カ年計画で進める予定だ。その間、組織やサービスの再編と、次世代マネジメントへの継承も並行して行う。

3つのDによる変革プランを進めた先には、成長率15%、最終年度の売上高1000億円以上という目標を設定している。コンサルティングフィーについても、成果報酬型のスマートプライシングを導入。この報酬体系にはクライアントの目標達成に寄り添い、ウィンウィンの関係構築に努めたいという意思が込められている。

大改革時代の価値創造を支える
PwCならではの「BXTアプローチ」

同社では、クライアントが抱える課題の時間軸を短期、中期、中長期の3つに分け、各段階に則したサービスを提供している。例えば短期は経済価値を追求するためのサービス、中期はサステイナビリティやグローバリゼーションに対応する組織変革への取り組み、中長期は地方創生、スマートシティ、医療改革などの社会価値を創出するサービスというように、各段階で最適化された支援を行っているのが特長だ。

それを実現できるのは、デジタル時代の価値創造に資するPwCならではの方法論と連携力があるからだ。

「グローバルで取り入れられている方法論に、BXTアプローチというものがあります。これはBusinessに対する洞察力、Experienceによる人間を中心とした考え方とアプローチ、Technologyの知識とノウハウを融合させてクライアントに価値を届けるもので、このアプローチを実現するうえでの連携力にも強みがあります。イメージとしては、プロジェクトをバトンリレーで進めるのではなく、スクラムを組んでアジャイルに回していく。それによりユニークで新しいアイデアの創出を実現します」

社内には、医学研究者や先端技術の研究者も在籍しており、高い専門性に裏付けされたコンサルテーションを期待できる。さらに産学連携も強化しており、東京大学とは世界で活躍できる経営人材の育成を目指す教育プログラム「AI経営寄付講座」を実施。慶應義塾大学とは企業のサイバーセキュリティの状況をリアルタイムで把握し、迅速かつ適切な対応を実施するための「インテリジェンス連動型セキュリティメトリクス」に関する共同研究を推進している。

テクノロジーラボラトリーにて撮影

「これからの時代、企業は失敗を恐れずに試行錯誤を繰り返していくスピード感が重要です。そのためにわれわれが多様な方法でサポートし、クライアントの変革を後押ししていきます」(桂氏)

クライアントの持続的な成長を後押しするために、自社組織の抜本的な変革の姿勢を打ち出したPwCコンサルティング。この変革はクライアントのみならず、日本の産業全体における価値創造への期待感につながっている。