「他人の幸せを願う人」ほど幸せになれる衝撃事実 一方、嫉妬しやすい人ほど健康を害することも

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最後に、「他人の幸せを願うことが自分の幸せにつながる」ことを覚えておいてください。ひがみや恨みを募らせるよりも、自分のことを好意的に思っている人に対して幸せを願う気持ちを持つことの方が大事です。

アイオワ州立大学のジェンタイルらの研究に、「他人の幸せを願うと自分も幸せになれる」というものがあります。496人の大学生を対象に行い、彼らに12分間にわたって大学構内を歩いてもらい、その際にすれ違う人に対して、心の中で“あること”を考えてくださいと伝えました。そのあることの内容を、次の4つのグループに分けました。

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【グループ1】その人が幸せになってほしいと優しい気持ちを抱く、【グループ2】その人と自分にはどんな共通点がありそうか考えてみる、【グループ3】その人より自分のほうが優れていそうな点はどこかを考える、【グループ4】その人の服装やもちものについて考察してみる。

このように4つの考え方をもつグループにわけて実験を行い、そのうえで散歩の前後に不安、幸福度、ストレス、共感性、他者とのつながりなどの要素をスコア化しました。

最も幸福度が高かったのは「グループ1」

その結果、【グループ1】の他人の幸福を願うグループがもっとも幸福度が高く、不安が減少し、共感性や他者とのつながりにおいてもプラスの作用が働いたことがわかったそうです。さらに、この実験の興味深いところは、個人差が実験結果にほとんど影響をもたらさなかったという点です。つまり、自己愛が強いナルシストな人でも、協調性のある人でも、他人の幸せを願った人たちは等しく効果があったというわけです。

人間である以上、嫉妬を抱くことから逃れることはできません。大事なことは、どのように嫉妬と向き合い、コントロールするかです。嫉妬を抱く自分に嫌悪感を覚えるのではなく、心の負担を軽くしたり、友人や家族の幸せを願ってみたりすることで、自分を肯定してあげてください。

堀田 秀吾 明治大学教授

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ほった しゅうご / Syugo Hotta

言語学博士。熊本県生まれ。シカゴ大学博士課程修了。ヨーク大学オズグッドホール・ロースクール修士課程修了。言葉とコミュニケーションをテーマに、言語学、法学、社会心理学、脳科学などのさまざまな分野を融合した研究を展開。熱血指導と画期的な授業スタイルが支持され、「明治一受けたい授業」にも選出される。研究の一方で「学びとエンターテインメントの融合」をライフワークとし、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書等を多数執筆、テレビ番組にも出演する等、多岐にわたる活動を展開している。

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