NiziU登場で激変した「アイドル勢力図」の本質 「会いに行けるアイドルに会えない」の致命傷

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乃木坂なども、NiziU旋風に巻き込まれ、厳しい状況に追い込まれつつあるのだろうか。ある芸能ジャーナリストは言う。

「やはり、アイドルの接触文化が実質消滅状態にあることは、かなり大きいです」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、握手会などのいわゆる「接触イベント」は、事実上開催されなくなってしまった。

「AKB48が『会いにいけるアイドル』というコンセプトの一環としてその手法を大きく取り入れたことで、握手会のためにCDを複数買うことを、“AKB商法”と呼ばれることもありました。AKBをはじめ、女性アイドルグループのCDのリリースが一時期止まってしまったのは、そのような特典会が開催できなくなってしまったことが大きいです。

リモートによる『お話会』や『インターネットサイン会』など、それぞれ新しい手法を模索中ではありますが、やはり直接的なふれあいに勝るものではなさそうです」

CDセールスよりも、ライブハウスなどを主戦場にした、地下アイドルたちも、大きな影響がある。前出のアイドルウォッチャーは言う。

「地下アイドル、ライブアイドルたちは、ツーショットチェキが撮れる『チェキ券』を購入してもらうことが、大きな収入源になっています。

現在、ビニールシートやアクリル板ごしで再開していますが、再び出された緊急事態宣言により、ライブハウスは飲食店として営業認可を得ているので、営業時間の前倒しなどの対応に追われています。この先しばらくはアイドル界を取り巻く状況はかなり厳しい、冬の時代以上の氷河期に入ってしまっているのではないでしょうか」

NiziUは今年前半が勝負

そんな状況下だからこそ、人気を獲得することができたNiziU。配信やテレビとのメディアミックスがうまくいき、ステイホーム期間にこれらのメディアに注目が集まったのも勝因の1つだ。

しかし、人気がさらに爆発するかどうかはまだ未知数だと、前出の芸能ジャーナリストは言う。

「みんなが盛り上がったのは、一緒に選抜されるメンバーやデビューまでの道のりをリアリティーショーとして楽しめたからでもあります。つまり、デビューがゴールやピークになってしまう可能性もゼロではありません。

実際、昨年12月にリリースされたファーストシングルは、『縄跳びダンス』が注目を浴びたプレデビュー曲の『Make you happy』ほどの話題を集めていない気がします。本格デビューを果たした後の今年前半の動き次第で、NiziUはAKBや坂道に変わるシーンの中心になっていけるかもしれません」

女性アイドルのあり方も、大きな転換期にきていそうだ。

(取材・文/渋谷恭太郎)

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