外資系コンサルで4カ月仕事がない男性の苦悩 会社は「空気の力」で社員に転職を促してくる
「表には出ないものが多く知られていませんが、こうした外資系企業の労働相談は、実はたくさん寄せられています」。こう話すのは、労働問題にくわしい指宿昭一弁護士。新型コロナウイルスの影響が長引く中、外資系企業の従業員からの労働相談が週に1件のペースで寄せられているという。
もっとも多い相談は「退職勧奨をされ、サインしていないがどうしたら良いか」というもので、次に「退職勧奨を拒否し続けたら解雇された」「退職勧奨され拒否したら解雇すると言われてサインをしてしまった」と解雇に関するものが続く。
外資系企業はクビになっても争えない──。こんなイメージを持つ人も多いだろうが、企業が日本国内にある限りは日本の労働法が適用される。
労働契約法16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と規定しており、外資系企業であれ解雇が認められるためのハードルは高い。
仕事を与えないのもパワハラ
仕事を与えないことは「過小な要求」型のパワハラにあたり、それが退職勧奨目的であれば、退職強要にあたり不当行為に当たる。
指宿弁護士は外資系企業の労働トラブルについて、「トップが日本の法律を十分に踏まえず、現場がなんとか合意退職に持ち込もうとして、かなり強引な退職勧奨をしている。それに応じてサインしてしまう人が多い」とみている。
辞めたくない場合交渉して残れることも多いが、辞める場合には退職金に加えて「パッケージ」(特別退職金)の提示があることが多い。しかし、その金額はまちまちで低い条件を提示されることもある。
「基本給の半年〜1年分パッケージをもらうと、余裕を思って転職活動ができます。労働者を軽く見たひどいパッケージを提示された場合は、代理人をつけて交渉したり労働審判や訴訟を起こしたりして、きちんと権利を主張したほうがいいです」
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