アメリカ株急落をもたらした「犯人」の正体 プログラム取引に風当たり強まる
ウィーデンのチーフ・グローバル・ストラテジスト、マイケル・パーブス氏は、市場の値動きからすると、ルールに基づいてボラティリティ次第で方針を決める投資戦略が、米長期国債の急激な売りに反応して発動されたことが分かる、と指摘した。
2008年の金融危機後に人気が高まったリスクパリティ戦略は、従来の資産クラスにまんべんなく資金を配分する方式に代えて、株式や債券、その差の資産価格の面でリスクないしボラティリティが均等になるようにする投資で、株価急落の際にはしばしば犯人呼ばわりされる。
しかし当のリスクパリティ・ファンドは、責任を押し付けられるいわれはないと主張している。
反論も
傘下にこうしたファンドの「オール・ウェザー」を持つブリッジウォーターのボブ・プリンス共同最高投資責任者は、足元の株安が始まって以降はポジション調整をしていないと説明。「リスクパリティは10日の値動きとは一切関係なかった」と述べ、企業業績が期待外れに終わる段階が近づいて、恐らく足の速い資金が真っ先に逃げ出していることが株価下落につながったのだろうとの見方を示した。
米国を拠点にリスクパリティ戦略で運用しているファンド勢は、10日に3.0%下落したS&P総合500種に比べると痛手は小さいが、それでもこの株安で年初来のリターンはマイナス幅が拡大したとみられる。関係者によると、ブリッジウォーターのオール・ウェザーは9月末時点で年初来のリターンがマイナス0.6%だった。
(文:Trevor Hunnicutt)
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