中国政府は「キリスト教弾圧」を強化している 約6000万人に急増したキリスト教徒の前途
キリスト教系のニュースサイト「ワールド・ウオッチ・モニター」が9月報じたところでは、浙江・福建・江蘇・河南の各省、そして内蒙古自治区では、子どもたちがサマーキャンプなどの信仰活動に参加することが禁止されているという。
こうした政策が地方政府主導なのか、中央政府の指令によるものかも定かではない、とロイターの取材に応じた情報提供者は話す。また中国国内で他の宗教についても同様の禁止措置があるかどうかも分からないという。
9月には、宗教教育に対する国家の監督を全国規模に拡大する新たな規則が発表された。当局者によれば、党に忠実な新世代の宗教指導者を生み出す試みだという。
中国の国家宗教事務局と温州市政府広報部に対してコメントを求めるファクスを送ったが、回答は得られなかった。
信仰の爆発的拡大
過去40年に及ぶ経済的繁栄のなかで、中国のキリスト教徒は急速に増加した。公式データによれば信者数は現在約3000万人だが、外部の試算では約6000万人とされており、その大半がプロテスタントである。
温州では、19世紀の宣教師らが創設した小規模な信者コミュニティーが、今や100万人を超える規模に開花している。住民によれば、近年までは地元当局との関係は比較的穏やかだったという。
その後2014年になって、「違法」な教会を取り壊し、そこに飾られていた十字架を引きはがす政府キャンペーンが行われ、信者コミュニティーからの激しい抗議を引き起こし、彼らのあいだに当局への不信感の種がまかれた。
このキャンペーンは、かつて2002─2007年に浙江省の共産党トップだった習近平氏が党総書記に任命された直後に行われた。
だが、信者の急速な増加を抑えようという試みは、温州では難航している。多くは敬虔な地元企業のオーナーからの寄付で支えられている教会が至るところに存在するからだ。