死を意識した時に考えたこと
さて、そのもうろうとする意識の中で、自分の頭部からどくどくと流出する暖かい血液を肌に感じながら何を考えたかというと、やはり、これで死ぬのは親に申し訳ないということである。どれだけ親孝行したところで、親より先に行くほどの親不孝はない、と幼少期から言われ続けてきたのだから。
もちろん、まだまだ楽しさ真っ盛りの人生で、この夏休みも秋口も冬も人生最高の楽しいイベントが目白押しなわけで、どうせ死ぬなら今年が終わってからにしてほしい、ないしは、できれば「グローバルエリートは見た!」の単行本が売れて、印税をがっぽりもらって、それを使ってからの逝去にしたい。
ただ、冗談を抜きに申し上げると、今までお世話してくれた友人や先輩、親や先生に感謝の気持ちを謙虚に伝えたい、恩返しがしたいという気持ちが強かった。そして私が楽しみにしている最高の趣味である東洋経済オンラインへの執筆の機会を下さっている「東洋経済オンライン」編集部の皆さんや、読者の皆様への感謝の気持ちを、あらためてお伝え申し上げたい。
私が過労で倒れた責任の一端は、当然、私の夏休み中でも週に2回のコラム提出を私に課している編集長にもあるわけだが、それでも私は日頃の格別の配慮に感謝している。
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