米FOMCが現状維持、年内1回の利上げ強く示唆 今後は「年内1回」の利上げ可能性を示唆

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 9月21日、FOMCは金利据え置きを決定。ただ、労働市場が一段と改善するなか、年内に一回の利上げを行う可能性を示唆。FRB本部の外観。昨年撮影(2016年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は21日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定した。ただ、労働市場が一段と改善するなか、年内に一回の利上げを行う可能性を強く示唆した。

米経済活動は持ち直し、雇用の伸びは最近数カ月間「しっかりしている」との認識を示した上で、「フェデラル・ファンド(FF)金利の引き上げに向けた論拠は強まった」と言明。その一方で、雇用・インフレ目標への進展を示すさらに多くの兆候が出揃うまで「当面」利上げを見送ることを決定したと説明した。

イエレンFRB議長は会合後の記者会見で、経済の伸びは強まっているもようで、景気の過熱を抑えつつインフレ高進を招かぬよう、利上げが必要になるとの見方を示した上で「利上げの根拠は強まったが、FRBの目標達成に向けた進展の継続を示すさらなる証拠が表れることを当面待つことを決定した」と語った。「当初想定を若干上回る経済の成長余地がある」とも指摘した。

今回の決定は賛成多数。ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁、メスター米クリーブランド地区連銀総裁、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の3名が利上げを主張し反対にまわるなど、FRB内で意見の不一致が広がっていることが浮き彫りとなった。

FRBメンバーによる今後の政策金利の推移を点で示したグラフ、いわゆるドット・プロットが示す年内の利上げ回数は、前回の2回から1回に後退。メンバー17人中3人は年内の据え置きを見込む。また2017年、18年の金利見通しも弱まり、長期の金利予想は従来の3.0%から2.9%に低下した。

金利先物が織り込む12月利上げの確率は50%超と、従来から大きな変動はみられていない。株式相場は値上がりで反応した。

アリアンツの首席経済アドバイザー、モハメド・エラリアン氏は「7対3での決定となったことは非常に異例で、FRBが政策をめぐりジレンマを抱えていることを示している。これにより12月利上げの公算が大きくなった」と述べた。

焦点は12月

今回の声明では、経済見通しをめぐる短期的リスクはおおむね均衡(roughly balanced)しているもよう、との判断が示された。これは、経済が見通しを下回るか上回るかの可能性がほぼ同等であると当局者が認識していることを意味している。4-6月の経済成長率は低調に推移するなか、8月の雇用の伸びは予想に届かず、物価上昇率は反対に予想を上回った。

次回FOMCは11月1-2日に開かれるが、大統領選挙の直前に当たることなどから、政策変更は見送られるとの見方が多く、12月13-14日に開かれる年内最後のFOMCが焦点となる。

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