「合法PTA」がひっそりと増えつつある理由 学校から児童名簿をもらうのは違法?

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例2:Bさん(東京都・B区)公立小学校PTAの場合

3年前から、PTA入会の「確認書」を集めるようになりました。

きっかけは「学校から名簿がもらえなくなったこと」でした。当時の校長が問題を認識し、PTAへの児童名簿の提供をストップしたため、執行部が相談し、申込書を回収する形を整えたのだそうです。

例3:Cさん(東京都・C区)公立小学校PTAの場合

昨年4月(今年度)から「入会届」と「退会届」が整備され、さらに会則も改訂されて、入退会に関する規定が加えられました。

きっかけは、Cさんが退会を申し出たことです。ただし、Cさん自身は「入会の意思を問わないのは、おかしいのでは」と言ったのみで、具体的な要望(申込書の配布や会則の整備)は特に出さなかったそうです。

「おそらく、問題を認識した校長先生が中心になって、届出や会則を整えてくれたのではないか」とCさんは推測しています。(詳しい経緯は、ライター・田所永世さんのブログをご覧ください)

例4:Dさん(滋賀県・D市)公立小学校PTA

3年前(2013年度)から、PTAに個人情報を提供する「同意書」を、全家庭に配布・回収するようになりました。

用紙には「同意する/同意しない」の選択欄があり、「同意する」を選んだ場合は、電話番号や住所などを記入のうえ提出します。「同意書」を集めるようになったのは、DさんがPTAを退会した際に、入会届を配布するよう働きかけたことがきっかけでした。

以上4例、それぞれ配布している用紙の名称は異なりますが、実質的には入会申込書といえるでしょう。

いずれのPTAも、現在は学校から名簿の提供を受けていません。なお今のところ、PTA加入率は4例とも95%を超えているそうです。

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