スタンフォードで体得した! 効率よく知力を鍛える勉強法《若手記者・スタンフォード留学記 29》


 このところ、不景気ということもあって、アメリカで大学院人気が高まっています。

ちょうど昨日も、スタンフォード観光に来ていた大学時代の友人とばったり出会い、カフェで一杯やりました。彼は、卒業以来、外資系の投資銀行でM&Aアドバイザリーに従事し、東京、ロンドン、ニューヨークで働いてきたのですが、30歳を迎えるにあたって、MBA取得を考えているそうです。

彼曰く、MBAの価値は国によってかなり違うとのこと。「ニューヨークでは、皆がこぞってMBAを取得していたけれど、ロンドンではさほどMBAは人気がなかった」そうです。

彼と語り合ったのが、「そもそも大学院留学のメリットとは何か」というテーマです。

ビジネススクールを筆頭に、大学院留学の最大のメリットの一つは、「人脈とハク」であるとは良く語られます。では、総合的な知力を養成するという点で、大学院教育はどの程度効果があるのでしょうか?

知力の柱となる3つの能力

まず、知力の中身を、以下の3つの能力であると、勝手に定義させてください。

1つ、多くの知識や経験があること(インプット)
2つ、多くの知識や経験をうまく整理する能力があること(プロセス)
3つ、整理された知識、経験をうまく発信する能力があること(アウトプット)

私の経験では、大学院教育は、この3つの能力をバランスよく向上させてくれます。

まず、知識は、授業ごとに課される膨大なリーディングによって否が応にも高まります。ひとつの授業で1週間に課される読書量が200ページとして、4つ授業をとると、週に800ページ。日本語なら、1週間800ページは楽勝ですが、英語だときつい。他にも、日常生活やインターン、研修旅行を通じて、多様なバックグラウンドを持つ人間と交流するのは、貴重な経験となります(私のようなドメスティックな人間にはとりわけ)。

次に、「整理する能力」は、これまた膨大なレポートの課題によって鍛えられます。

博士課程や学者の論文には”新しい発見”が求められますが、普段の授業で課されるレポートは、”知識の編集作業”という感じです。「機会の平等について」「米国の対中国外交政策」など、あるテーマに関する意見を、授業で学んだ知識と自らの知見をベースに簡潔にまとめるわけです。

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