スタバ代表「コーヒー以外にも挑戦したい」 関根純CEOが語る、日本のスタバの未来像(下)

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――米・スタバが現地で展開している紅茶専門店「ティバーナ」を日本に持ち込む可能性はあるのか。

われわれとしては新しいブランドは欲しい。やるという覚悟もある。ただ、米本社がティバーナを買収した後、ビジネスとしてなかなか広がっていない。行き詰まっているわけではないだろうが、具体的にショップを展開するという話は現時点ではない。

――2016年はスタバが日本に上陸して20周年の節目となる。

おなじみとなった日本のスタバも2016年で20周年に。(撮影:尾形文繁)

去年から今年にかけて従業員には「ヤンチャな大人になれ」と言っている。今まではストイックに勉強して、国立大学に入って、役人になるような感じの健全な成長をしてきた。ただ、これから先はそれでは面白くない。

私がこの会社に来た4年半前。スターバックス コーヒー ジャパンは15歳の少年だった。それが5年経って、成人式に出て社会人になるので、腹を決めなきゃいけない。1つのことしかできなかったら、会社は小さくなってしまう。そういうタイミングでTOBがあり、いいチャンスになっている。

後任に求める条件は?

――5年後のスタバはどういう姿になっているのか。

5年先は間違いなく自分はいない(笑)。ただ、いないからこそ絵を描いてあげないといけない。現場の人達は一生懸命やっているけど、その人たちに5年後の絵は描けない。それがリーダーシップである私の仕事だ。

せきね・じゅん●1947年生まれ。1970年伊勢丹に入社。2009年札幌丸井今井社長を経て、2011年から現職 (撮影:今井康一)

あとは自分たち主導というより、米本社がどういう意向でやるのか。それをやみくもにやるのではなく、日本流にアレンジをしてビジネスにつなげていく。新しいことを1つ2つやっているのが5年後だと思う。

今までも米本社とは何度もケンカしてきたけど、ケンカする度に信用が高まってきた。もちろん、それは数字の裏付けがあるからだとは思っている。これからもできることとできないことは、はっきりと伝えていく。

――CEOを退任するときには、後任に何を求めるか。

うちの会社はよそからどんどん人が入ってくる。やっぱり、ブランドにベクトルが合っていない人は続かない。ブランドをしっかり理解してくれて、従業員とたくさん話をして、自分自身がスターバックスっていうブランドが何で強いのかを理解してもらわないと、CEOの役割を果たせないだろう。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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