下げ止まり日本株、2016年は春までジリ高だ 相場格言では「未辛抱」から「申酉騒ぐ」へ

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未年から申年へ。過去の申年の日本株はプラス10.4%となかなかのもの(写真:tooru sasaki/PIXTA)

前回、日経平均株価の年内の下値ゾーンは1万8700円前後とお伝えした。日米欧の金融政策のバラツキと原油安等から、12月の日本株は大きく乱高下している。ただ、2015年の日本株はテクニカル面からみると「想定内の動きやフシ目」で収まっている。そこで年末年始の見通しを探ってみた。

2015年末値が1万8776円前後なら例年通り

2015年の日本株は、まさに「未(ひつじ)辛抱」と相場格言のとおりになりそうだ。1万7000円割れ~2万円台の往来を繰り返し、特に12月相場は日中値幅が大きくなっている。市場関係者にとっては、16日の米利上げは想定内、18日の日銀の補完策は想定外。日経平均株価は急伸したのち発表内容の手詰まり感から急反落、日中値幅は900円に達した。黒田日銀総裁は「経済の下振れリスクの増大に対応したものではなく、追加の金融緩和ではない」と述べた。市場関係者が「あかんわ(緩和)」と言ったかは定かではない。

一方、日本株は下値を切り上げている。1月安値が1万6500円台(WTI原油44ドル台)、9月安値が1万6900円台(銅急落に伴うグレンコアショック)、12月安値が1万8500円台(WTI原油34ドル台)と、PER(株価収益率)が13~14倍台になると下値買いが入ってくる。一方、戦後5回の未年の日本株は平均プラス7.6%。14年末値1万7450円に上乗せすると、想定される2015年末値は1万8776円。仮に来週の大納会に1万9000円台を回復すれば、小じっかりした未年ではなかろうか。

今日、自然災害やテロ事件が起こったとする。その数日後に周囲の人々に自然災害等の再発を尋ねると、「たぶん近いうちに起こるだろう」と答える。これを「近接バイアス」という。株式市場でも同様のバイアスが掛かる。12月の日経平均株価は2万0012円から1万8565円までスピード調整した。アナリストやストラテジストの予想もやや揺らぎ、日本株に対して悲観的な見通しも目立ち始めている。

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