日産・ルノーとフランス政府の対立は解消へ 合意に投資家失望

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 12月11日、仏ルノーは連携相手の日産自動車、仏政府との間で、対立解消に向け大筋合意に達した。ルノーのロゴ。13日撮影(2015年 ロイター/Christian Hartmann)

[パリ 11日 ロイター] - 仏自動車大手ルノー<RENA.PA>は11日、連携相手の日産自動車<7201.T>、仏政府との間で、対立解消に向け大筋で合意に達したと正式発表した。

ルノーや仏政府が、日産に今後介入しないことを保証するなど、パワーバランスが日産へとシフトする内容となった。日産は1999年、ルノーの支援を受けたが、現在では日産がルノーを上回る規模にまでなったことが背景にある。

ただ、完全な経営統合など、より大幅な改革に期待を寄せていた、一部投資家は合意に失望、この日の取引でルノー株の終値は5%超下落した。

合意によると、ルノーが日産の取締役会を支配しようとしたり、日産の承認を得ずに株主総会に決議提案を試みたりしないこととした。日産は今回初めて、書面で確約を得た。

2年以上保有する株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」適用により、仏政府のルノー議決権は来春、28%まで高まる。

仏政府の影響を低下させるため、今回の合意では、ルノーの非戦略的な株主投票時、仏政府の議決権に17.9━20%の上限を設けた。ただ、仏政府の承認なしに、ルノーや日産が協定に違反したり、提携合意を修正したりすれば、上限は完全に撤廃される。

また、ルノーや仏政府が介入し合意に違反した場合に限り、日産は、保有するルノー株比率を現在の15%から25%以上に引き上げることができるとした。日本の会社法では、日産がルノー株を25%以上持てば、ルノーの日産に対する議決権をなくすことができる。

日産・ルノー連合のゴーン最高経営責任者(CEO)は記者会見で「今回の議論を経て、連携はさらに強固なものになったと確信している」と語った。

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