東レが優良企業に変貌、絶好調の背景は?

ユニクロとの戦略的提携はTPPが追い風に

協力関係も3期目に突入する東レとファーストリテイリング。日覚昭廣社長と柳井正社長兼会長は上機嫌(撮影:尾形文繁)

1133円――。2016年3月期の中間決算を発表した翌日の11月11日、東レの株価が一時高値を更新した。株式時価総額ではライバルと目されていた帝人(約4200億円、11月18日現在)の4倍強、1.8兆円に達する。

2000年代初めには危機的な状況に陥った時期もあったが、その後あれよあれよという間に「繊維を祖業とする総合化学業」(日覚昭廣社長)の優良企業に成長した。来年には設立90周年を迎え、経団連の会長を輩出するなど、このところよいニュースが相次いでいる。

東レを牽引する繊維と炭素繊維の2大事業

東レを牽引しているのが、祖業の「繊維」と、長い年月を経て花開いた「炭素繊維」の2大事業だ。2016年3月期の業績は当初、連結売上高2兆2500億円、営業利益1500億円を見込んでいた。しかし、11月の中間決算時に営業利益を50億円ほど上方修正した。上方修正の理由は、繊維と炭素繊維の両事業が想定以上に好調だったからだ。

炭素繊維事業を支えているのは、航空機や圧縮天然ガスタンク向けだ。とくに航空機向けは、米航空機大手・ボーイングの成長に伴い、米国でも着々と地歩を築いている。11月には米国のサウスカロライナ州に取得した工場用地に、約500億円を投じて高性能炭素繊維の生産設備を新設することを決めた。炭素繊維の一環生産設備はこの工場が米国初であり、年産2000トンの新工場から、2019年にボーイング向けへ供給を開始することにしている。

ボーイング社とは、「787」だけでなく、新型機「777X」向けにも炭素繊維を供給する包括的な長期供給契約を結んでいる。今後10年以上にわたり、ボーイング向けに総額1.3兆円(110億ドル)超を供給する見込みだ。

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