「4代目プリウス」の電池はなぜ2種類あるのか ニッケル水素だってまったく枯れていない
11月上旬に静岡県の富士スピードウェイで行われた4代目「プリウス」のプロトタイプ試乗会。ショートサーキットと外周路を新旧比較しながらドライブして、最も印象に残ったのは重心の低さと重量配分のよさだった。
従来の定説、「プリウスは走りが楽しくない」を覆す
トヨタ自動車が12月9日に国内発売を控える4代目プリウスは、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と名付けられた新開発のプラットフォーム(車台)やパワーユニットを採用することで、全高と重心高を3代目プリウスに比べて20㎜、運転席のヒップポイントを同59㎜も下げた。同時に、従来は後車軸上にあった駆動用電池を小型化して燃料タンクともども後席下に格納した。
その結果に得られた走りは、同じく低重心にこだわったトヨタのスポーツカー「86」(ハチロク)を思わせるほどだ。路面にピタッと張り付くようなコーナリングは、「プリウスは走りが楽しくない」という従来の定説を覆す。
圧巻だったのはショートサーキットの走行だ。比較対象として用意された3代目にまず試乗してみると、「攻めよう」という気持ちすら起こらなかったのに、4代目に乗り換えると気分は一転。低めの運転席に座ってコースに出ると、無意識のうちにペースが上がっている自分に驚くほどだった。
3代目までのプリウスは、圧倒的な燃費性能と先進装備は強みだったが、走りの楽しさや乗り心地、スタイリングは弱みだった。トヨタ自身も認めるところだ。それを解消するために採用したのがTNGA。筆者はその目標は達成されたと感じた。
だからこそ、4代目の細かい部分が気になってしまう。そのひとつが、駆動用電池がニッケル水素電池とリチウムイオン電池の2種類用意されていることだ。その点を製品企画本部チーフエンジニアの豊島浩二氏に聞くと、意外な答えが返ってきた。
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