【産業天気図・家電/AV】今期は各社増益基調だが、下期は不安要因あり「曇り」。08年度前半は「晴れ」に

家電・AV業界の07年度は前半好調だが、下期は不安要因があり「曇り」。だが、08年度前半は北京オリンピック効果もあり「晴れ」と見ている。
 今期前半の主要各社の業績は堅調だ。特に第1四半期(4−6月)は、各社とも好調な滑り出しだった。ソニー<6758>、松下電器産業<6752>は世界的に需要が拡大しているデジタルカメラなどが牽引したほか、円安の恩恵も享受した。シャープ<6753>も液晶テレビの好調な販売が続いている。各社とも前半はこの調子を維持できそうだ。
 ただ、下期に関しては、不安要因が大きく2つある。1つは米国の景気動向だ。サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)問題に端を発した株安などで米国の消費が冷え込めば、米国での売り上げ比率の高いソニーや松下などは大きな打撃を受ける。加えて、為替動向も不透明だ。各社の今期の為替レート想定は1ドル=115円だが、それ以上に円高が進行すれば、当然、収益押し下げ要因になる。例えば、ソニーは想定から1円円安になるだけで50億円超の減益要因となる。
 もう1つの懸念は薄型テレビだ。薄型テレビ市場そのものは拡大が続いているが、価格下落が急激に進んでいる。第1四半期だけでみても、順調に利益を稼いだのはシャープぐらい。ソニーは特に欧州での液晶テレビの採算が予想以上に悪化し、早くも通期黒字化は厳しい状況になった。松下も、主戦場の北米におけるプラズマテレビの利益が伸び悩んでいる。最大の需要期である年末商戦に向けて、価格下落のスピードはさらに加速し、各社とも苦しい戦いを強いられるのは間違いない。
 もっとも、ソニーはデジカメやビデオカメラ、松下はデジカメ、デバイス、白モノなど、テレビ以外の製品がしっかり稼ぐだろう。液晶テレビが主力のシャープも、大画面へのシフトによる単価上昇に加え、液晶テレビのコスト競争力は他社よりも頭一つ抜けている。これら大手は通期で増益を確保できると見ている。
 続く08年度前半は、夏の北京オリンピックで薄型テレビをはじめとしたデジタル家電の需要増が見込める。価格競争がますます激しくなることも予想されるが、数量が伸びることで各社とも利益を確保できるだろう。
【中島 順一郎記者】

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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