昨年、子どもが体調を崩したことをきっかけに仕事をいったん中断し、しばらくは家庭を優先させることにした。でもやがては再開するつもりだ。16歳年上の夫はあと2年で定年。子どもたちの教育費などを考えると、これからは自分がある程度生活費を稼ぐ必要がある。
再就職に際して保育士の資格に加えて、もう一つ武器がほしい。それならば、もともと好きだった英語を特技にしたいと考えた。週1回の英会話スクールに加えて、家事や子育てに忙しい主婦には、スマホで英語が勉強できるアプリは身近で手軽な学習手段だ。
「最近は英語教育に力を入れている保育園が増えているし、園児の親が外国人ということもよくある。英語ができれば保育士としての幅も広がるのではないでしょうか」
吉田さんは子どもたちによくこう話している。「英語はいつどこで必要になるかわからない。やっといて絶対損はない」と。
英語力を磨いて「いつか海外で働きたい」
東京都内に住む馬淵紀子さん(仮名、45)には、ひそかに抱いている夢がある。それは、子育てが一段落したときに海外で働くこと。いま子どもたちは16歳と14歳。あと10年もすればチャンスが訪れるのではないかと考えている。そんな日に備えて馬淵さんは日々、英語力に磨きをかけている。
「毎晩欠かさずオンラインレッスンを受けています。今や歯磨きと同じように習慣化しています」
ウェブを通じて外国人講師のレッスンが受けられるオンライン英会話を利用し始めて6年半。「レアジョブ」の25分コースを受講し、毎日フィリピン人講師とさまざまな時事トピックで会話をしている。月にかかる費用は5800円。好きな時間に場所を選ばずレッスンができるオンライン英会話は、忙しい毎日でも続けやすいという。
馬淵さんも大学の英文科を卒業した。就職後は経理や輸出入手続きなどの仕事に従事したが、第1子の妊娠を機に退職。その後、第2子の出産も続き、7年間は子育てに専念していた。もともと好奇心旺盛で外交的な性格だという馬淵さん。いつまでも自宅にこもって子育てだけに専念できるわけがなかった。ある日ふと見つけた新聞の求人広告がきっかけで、小学校へのALT(外国人指導助手)派遣に関する仕事を始める。どうせ働くなら英語を使う機会のある仕事をと考えていたからだ。
現在は、地元のメーカーでパート勤務をしているが、やはり英語を使うことが少なからずある。勤務先のメーカーは世界中に販路がある部品メーカー。ビジネスレベルの英語力を持つ馬淵さんの存在は貴重で、社長からの信頼も厚い。この春にはパート勤務ながら、ハワイへの社員旅行に参加。現地で開かれたパーティーでは、持ち前のコミュニケーション能力と英語力で外国の取引先のエグゼクティブたちを接待もした。「英語ができることの強み」を再確認できたという。
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