アコーディア社長の疑惑調査は”痛み分け”。次の焦点は取締役人事やライバルとの統合問題

アコーディア社長の疑惑調査は”痛み分け”。次の焦点は取締役人事やライバルとの統合問題

専務による社長の疑惑追及、そしてライバル会社によるM&A計画まで飛び出した、ゴルフ場運営最大手のアコーディア・ゴルフ。発端となった”コンプライアンス”問題について、5月9日、社外取締役で構成された「特別コンプライアンス委員会」の調査報告書が取締役会に提出され、その内容について都内で記者会見が行われた。

そもそもアコーディアの取締役会が特別コンプライアンス委員会を設置したきっかけは、3月~4月上旬に大株主のオリンピアから寄せられた、「竹生道巨社長が親密な女性がらみで会社資金や会社財産を不正に流用している」との情報提供。これに対し、秋本一郎専務が、「取締役会から完全に独立した第三者委員会が調査する必要がある」として、4月17日に”涙の記者会見”を開き社長の疑惑を告発。4月26日には、オリンピアや秋本専務が名を連ねる「アコーディア・ゴルフ株主委員会」が結成され、竹生社長など役員の入れ替えを要求するなど、”お家騒動”はエスカレートしていた。

ところが、アコーディア側は4月27日、一連の騒動の裏側には、ゴルフ場運営で最大のライバル、PGMホールディングスによる経営統合計画がある、と暴露。オリンピアはパチンコメーカー大手である平和の100%子会社であり、平和はPGMホールディングスの発行済み株式の80.4%を握る大株主であることから、ゴルフ場業界再編をめぐる大騒動に発展している。

そうした状況の中、今回、特別コンプライアンス委員会の調査報告書について、都内で記者会見を行ったのは、アコーディア社外取締役の片山典之氏(同委員会委員長、弁護士)、同じく社外取締役の蟹瀬誠一氏(ジャーナリスト)と澤田勲氏(公認会計士・税理士)の3名。調査対象となったのは竹生道巨社長だけではなく、鎌田隆介副社長、秋本一郎専務、鈴木隆文取締役の社内取締役3名も含まれ、接待交際費などを不正に使っていなかったかどうかについて、同社従業員など、のべ26名にヒアリングするなどしたうえで、まとめた内容となっている。

調査報告書の内容はA4判用紙で28枚にも及ぶ長大なものだが、結論から言えば、竹生社長と秋本専務にはコンプライアンス上不適切な問題があったと指摘。これを受けた取締役会では竹生社長を月額報酬50%減額(4月分~現任期間中)、秋本専務を同30%減額(同)するなど”痛み分け”の内容となっている。なお、残りの鎌田副社長、鈴木取締役についてはコンプライアンス問題は見つからなかったものの、今回の問題で株主・投資家・顧客・取引先などに「多大なご心配とご迷惑をお掛けした」ことなどからそれぞれ月額報酬10%減額の減給処分とされている。

竹生社長については、オリンピア側からの情報提供では、「”愛人”と東京・三田のマンションに同居し、その賃料をアコーディアの取引業者に負担させている」などいくつかの疑惑が指摘されていたが、今回の報告書では、竹生社長は1995年から妻と別居し、2010年に離婚していたため、現在は独身であることなどが明らかにされた。

特別コンプライアンス委員会自体は社内取締役のコンプライアンス上の問題を調査するために設けられた組織であり、PGMとの統合問題をどうするか、あるいは6月下旬の株主総会に向けて、どのような経営体制を構築していくか、具体的に言及しているわけではない。

ただ、アコーディアでは5月9日付で、今回の調査報告書をまとめた社外取締役3名に社外監査役の對田恒雄氏を加えた計4名で構成する「指名委員会」を設置し、5月21日をメドに、株主総会で選任すべき取締役・監査役候補者を指名すると発表している。

対するアコーディア・ゴルフ株主委員会は、すでに4月26日の記者会見時に、秋本専務を中心とする社内取締役候補者4名、社外取締役候補者4名、社外監査役候補者3名(うち1名はその後チェンジ)を公表済み。指名委員会がどのような顔ぶれを役員候補者として指名するのか、そして、その中に、今回コンプライアンス問題があったとして減給処分を受けた竹生社長と秋本専務が含まれるのか否かが焦点になる。

また、5月10日には、アコーディアは都内で決算説明会を予定。一連の騒動後、初めて公の場に姿を見せる竹生社長が、この間の経緯やPGMとの統合問題に対して、どのような説明をするかが注目されそうだ。

(写真=都内で会見するアコーディアの特別コンプライアンス委員会の片山氏(右)、蟹瀬氏(中)、澤田氏(左))

(大滝 俊一 =東洋経済オンライン)

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