日本出身力士が再び優勝する日はいつなのか 57場所連続で外国出身力士が優勝中だが・・・

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門外漢の意見はそういうものだと受け入れる一方で、本場所や稽古などを見てもらえれば、その考えが変わるのではないかとも思っている。大相撲は競技としての優勝争いだけでなく、江戸時代から続く特有の伝統文化、神事の側面があり、実に奥深い。

力士の取り口、キャラクター、ルックスもさまざまで、知れば知るほど国籍の壁はなくなっていく。ルールは単純だが、相撲の動きが分かるほどに別の見方も生まれていく。子供でも楽しめるが、大人のたしなみにもなる。

日本出身力士の優勝は起爆剤になる

そんな大相撲に、より関心を持ってもらうには、日本出身力士の優勝はいいきっかけになる。ラグビーのワールドカップで日本代表が南アフリカ戦で金星を挙げ、これまで観戦したことのなかった人たちまで引き込まれた。五郎丸選手ら日本代表を見たくて会場に行けば、自然とラグビーの他の魅力をいくつも発見するだろう。

もし日本出身力士が優勝したら…。約10年ぶりのニュースは、大相撲の枠を超えて話題になる。海外にも及ぶ。優勝者が大関なら、来年の初場所は綱とりがかかる。日本人横綱の誕生となれば、1998年名古屋場所で昇進した3代目若乃花以来、約18年ぶりになる…。

あまり来年のことを書くと、鬼が笑う。静かに、その時を待ちたい。

今年の締めくくりとなる九州場所は、間もなく初日を迎える。優勝候補筆頭は白鵬。秋場所は左膝を痛めて、2007年の横綱昇進後初めて途中休場した。今場所に向けても、初日の3日前に出場を正式表明するなど慎重に見極めてきた。万全ではないが、史上最多33回の優勝を成し遂げて以来、低下気味だったモチベーションが休んだことで回復したように見える。

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