半導体のルネサスが迎えた、新たな「正念場」 構造改革に一定のメド。今後の戦略は?

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就任5カ月の遠藤会長(写真右側)は、ルネサスを成長路線に導けるのか

10月30日に開催された、車載用半導体大手・ルネサスエレクトロニクスの4~9月期決算説明会。今年6月に就任した遠藤隆雄会長兼CEOはこう息巻いた。「成長できる企業に変わったことを示したい」ーー。

経営再建中のルネサスは構造改革が奏功し、2015年3月期に824億円の最終利益を計上、黒字化を達成した。改革に一定のメドが付いたことで、同社は今2016年3月期を「成長へのギアチェンジの年」と位置づけている。

収益改善は着実に進んだが…

今4~9月期決算は売上高3607億円(前年同期比13.5%減)、営業利益631億円(同24.9%増)と減収増益となった。

主力の自動車向け半導体は小幅な増収だった。国内やASEANで自動車市場の販売不振が続いたが、円安などの外部要因がカバーする形となった。一方、汎用向けは大幅な減収だ。前期に中小型パネル向けの子会社を売却した影響が大きく、家電向け半導体などで撤退を進めた影響も出ている。ただし、人員削減や拠点再編など、構造改革効果で営業増益を達成した。

体質改善は着実に進展しているが、売上高の減少は止まらない。続く10~12月期は7~9月期比で10%の減収となる。自動車の販売不振が続くだけでなく、カーナビやカーオーディオ向けの不振と産業機器向けの減収が大きく響く見込みだ。

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