ルネサスは長かったトンネルを抜け出たのか

好調な決算だが先行きには不安も

第1四半期は予想以上に好調だった。このペースを維持できるか。決算説明会で答える柴田英利CFO。

長年の苦境から、今度こそ成長軌道に乗ることができるのか――。2010年4月にNECエレクトロニクスとルネサス テクノロジの2社統合によって発足した、車載用マイコン大手のルネサス エレクトロニクスは、過剰な設備や人員に加え、翌年の東日本大震災の影響もあり発足以来赤字を計上し続けてきた。

だが大規模な人員削減や生産拠点の再編といった構造改革が奏功して、2014年度、ついに初の最終黒字化を達成。そしてこの2015年度を“成長へのギアチェンジ”の年と位置付けている。

そんななか発表された2015年度第1四半期決算は、売上高1793億円(前年同期比約14%減)、営業利益323億円(同20%増)、最終利益298億円(同41%増)。当初の見込みは、売上高1800億円、営業利益250億円、最終利益200億円だったが、予想を大幅に上回る好調な滑り出しとなった。

国内やASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とする日系自動車メーカーの販売不振や、不採算事業の縮小により売上高こそ減ったものの、汎用半導体を軸に製品構成を見直したことが、収益性の向上に寄与した。

今回は実力以上の結果に

ルネサスは事業の“選択と集中”を掲げ、車載、産業機器、IoT(モノのインターネット)などを注力分野として事業再編を進めてきた。汎用向け事業だけに注目してみると、2013年度は事業別売上高のうち約30%が注力分野以外のものだった。だがこの第1四半期では15%と半減させている。採算の厳しい家電向けから撤退し、産業機器向けに注力してきた結果だ。

しかし、当初見通しを上回ったのは、円安などの外部要因による影響が大きい。その点は柴田英利CFO(最高財務責任者)も「実力よりは少しだけ上振れている」と認めており、依然先行きは不透明だ。

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