インド駐在員に人気のフリーペーパー『Chalo』、創刊編集長・新舎春美氏に聞く

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--東南アジアの他の国は、どこの国もフリーペーパーがあります。シンガポール、タイ、ベトナム、それぞれ数誌出ています。インドでは、在留邦人者数とも関係していますが、これまで誰かがやりそうで、誰もやりませんでした。しかし、新舎さんは「インドでフリーペーパー」を起業しました。そのキッカケは?

私はリクルートで『ホットペッパー』というフリーペーパーを作っていました。海外でビジネスをしたいと何となく思っていたんですが、まずは世界一周したいと思いました。会社を辞めて世界一周の旅に出て、40カ国ぐらい行きましたが、インドには来ませんでした。このビジネスやるまではインドに来たことはなかったんです。よく「インドに呼ばれる」って言われますが、私は呼ばれませんでした(笑)

この国でこんなビジネスがあったら面白いだろうな、とかいろいろ思いながら旅していましたが、行動を起こそうと思うまでには至りませんでした。海外で働きたいというのがあったので現地採用で働いてみようかなとか思いながらも、結局はその後、帰国し再就職しました。

ただ、その後にベトナム旅行に行ったときが転機になりました。8年ぶりのベトナムでしたが、以前と比較してフリーペーパーが分厚くなっていることに気がついたんです。それで、パートナーにインドにはフリーペーパーがないということを聞いて、そこで興味を持って、「じゃあやろう」と思いました。インドに来たこともなく全然知らなかったので、逆に軽い気持ちでやれたんだと思います。

--行ったことがなかったのに起業を思いついた。インドをよく知っているパートナーに恵まれたから、というわけですね。

決めてからは早かったです。インドでの起業を思いついたベトナム旅行が2010年6月で、8月にはパートナーのコネクションで20件ほどご出稿願いの挨拶回りをして、12月には第1号を出版しました。

その間は、会社員として仕事をしながら、週末に起業準備をしました。その後、退職して起業し、現在まで日本とインドを半々で滞在して、行ったり来たりして運営しています。

--早い展開ですが、決して無茶苦茶に起業したわけではなく、ノウハウを持った「自分の領域」で勝負したということなんだと思います。対象読者は駐在員と帯同家族のほか、旅行者などだと思いますが、日系企業は読者としてどうですか?

企業向けも新たに検討しています。今、フリーペーパーをやっていて、例えば設備機械など製造業の方からも広告出稿していただいていますが、それを見た日系企業から「ちょうど探していました」というような連絡をいただくことがあります。

 

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