東京ディズニー、「独り負け」に潜む深謀遠慮 2015年度上半期の客数減を読み解く

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東京ディズニーシーでは悪役をメインに据えたハロウィーンの新イベントを開催。客の入りは悪くない(撮影:大澤誠)

「ディズニーマジック」も終焉を迎えるのか――。東京ディズニーリゾート(TDR)の4〜9月の入園者が1437万人と、前年同期に比べて5%減少したことが、こんな憶測を呼んでいる。

TDRの客数が減少するのは珍しいことではない。これまでも、周年イベントで客数が増えた後、1〜2年は反動で停滞するという傾向が続いてきた。

特に今回は、2013年度のTDR開園30周年イベントに続いて、2014年度もシンデレラ城のナイトショー「ワンス・アポン・ア・タイム」や、冬季の「アナと雪の女王」イベントがヒットし、過去最高の入園者数を記録した。そのため、今年度は「息切れが出て当然」(外資系証券アナリスト)との見方が多い。

競合のテーマパークは軒並み好調

それでも今回の客数減が驚きをもって受け止められたのは、競合のテーマパークが同じ時期、軒並み好調に推移したからだ。

大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンは654万人(前年同期比18%増)と、過去最高の入場者数を更新。長崎のハウステンボスも客数が前年比1割増と好調をキープしている。訪日外国人客の増加など、追い風が吹く業界にあって、TDRの独り負けは際立つ。

運営会社であるオリエンタルランドは、客数の減少について、「ワンス・アポン・ア・タイム」が2年目を迎えたことに加え、猛暑や雨天が多かったため、客足が想定より鈍ったと説明。ハロウィーンやクリスマスなどのイベントで盛り返す前提で、期初計画の通期3040万人(前期比3%減)を据え置いた。

とはいえ、ここ数年は年度上期の段階で客数が会社想定を上回っていただけに、目標達成には黄信号が灯る。開業以来のTDRの神通力がいよいよ衰えたのか、それとも別のとらえ方をすべきか。株式市場では今後のパーク運営を見据えた戦略との見方が浮上している。

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