韓国アルコール市場に大異変 外国勢に押される韓国企業

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国税庁によれば、低度数の焼酎出荷量は、2010年の1万7150キロリットルから、11年には3万4413キロリットルとほぼ倍増した。ビールの出荷量も昨年200万キロリットル(10年187万8872キロリットル)を超えた。

その一方で、健康ブームで打撃を被ったのがウイスキーだ。統計庁によれば、ウイスキーの出荷量は11年に3218キロリットルと、2年前の6632キロリットルに比べて半減した。酒業界の関係者は「低度数焼酎とビールが増えたのは、軟らかい味の酒を好むトレンドがあるため」という。

酒市場に地殻変動を起こしたもう一つの要因はグローバル化。その動きが顕著に出ているのが、ビール市場だ。国内ビール市場の2強体制が崩れ、輸入ビールが割り込んできている。量販店のイーマートが1月1日から2月13日までの酒類販売状況を調査した結果、輸入ビールの販売量は前年同期比で56%も増加している。語学研修や海外旅行などで海外を訪れる経験者が増えているためで、その際に飲んだビールブランドを国内でも求める人が増えているからだ。

これまで国内ではOBとハイトが15年ビール戦争を繰り広げてきた。90年代、OBはビール市場の7割を占めていたが、91年に起きた工場での有害物質流出事故が打撃となり、4年後の95年、ハイトにトップの座を明け渡した。ただ、韓国酒類産業協会による昨年の出荷量(1~10月)を見ると、OBの出荷量(輸出含む)が7794万0500箱で、ハイトの7725万7400箱を超えた。15年ぶりの逆転劇を演じた。

 

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