韓国アルコール市場に大異変 外国勢に押される韓国企業

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伝統酒マッコリは対日輸出が急増

ワインもグローバル化の恩恵を受けている。04年に、韓国・チリ間でFTAが発効されて以降、種類も多様で安いチリワインが国内に押し寄せている。関税庁によれば、ワインの輸入額は00年の2000万ドルから、11年には1億3500万ドルと7倍増に伸びた。さらに、今年は韓米FTAが発効し、米国産ワインに対する15%の関税が撤廃されると、米国からの輸入量は大幅に増えるものと予想される。

ただ、韓国酒も手をこまぬいているわけではない。韓国の伝統酒・マッコリは、翼が生えたかのように日本で売れ始めている。昨年、マッコリの輸出額(関税庁)は、史上初めて5000万ドルを突破した。このうち、日本向けは全体の92%を占める4842万ドルに達した。すでに、韓国酒市場への日本酒輸入額1435万ドル(昨年)を、対日マッコリ輸出が追い抜いている。

酒のトレンドには時代状況が反映される。消費者の好みはつねに変化している。一時は権力の象徴ともいわれたシーバス・リーガルは、今は「追憶の酒」に転落した。金大中政権時代に注目を集めた「トックリイチゴ酒」の人気も下火となった。

酒市場自体が韓国で低度数になることはなさそうだ。

(韓国『中央日報エコノミスト』3月5日号/イ・ユンチャン記者、パク・ミソ記者 =週刊東洋経済2012年4月7日号)

 

 

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