(第40回)スリム化で復活するアメリカ自動車産業

(第40回)スリム化で復活するアメリカ自動車産業

アメリカ自動車産業が目覚ましく復活している。2009年の破綻・救済騒動がウソのようだ。日本経済新聞(12年3月8日)のとりまとめによると、11年度には、日本メーカーの利益が低迷した半面で、米独韓のメーカーが利益を増加させた。トヨタの純利益が前年比51%減になったのに対して、フォードの利益は、前年比3・1倍となった。

この大きな要因が為替レートの変化であることは、疑いない。04~07年頃は異常な円安だったため、日本車が圧倒的な価格競争力をもった。しかし、経済危機後円高が進み、日本車の価格競争力が落ちた。その半面で、ユーロ、ウォンが安くなり、米独韓車が伸びているのだ。

しかし、アメリカ自動車メーカーが復活した理由は、為替レートだけでない。それを明確に示しているのが、販売台数に対する利益の比率である。トヨタはフォードの1・3倍の販売台数を記録しているにもかかわらず、純利益はフォードの13%でしかない。つまり、日本メーカーは「薄利多売」なのだ。これは、為替レートの変化だけでは説明できない。また、震災やタイ洪水の影響でもない(これらは、主として販売台数に影響を与えるはずだ)。

アメリカ自動車メーカーが人員を整理してスリム化したことが、利益増加に大きく寄与していると考えられる。図は、アメリカの製造業と自動車産業の雇用者数の推移だ。経済危機後に自動車産業の雇用が急激に減ったことがわかる。03年に110万人だった自動車産業の雇用者は、10年には67万人と、4割も減少した。製造業全体でも雇用は減ったが、03年比で約2割減だ。それに比べて、自動車産業が著しい人員削減を行ったことがわかる。


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